もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

2007-01-01から1年間の記事一覧

処 暑

エゾゼミの通奏低音 水の流れる音を聞くと また来たなぁ と思う 昨年は7月の終わり 昼日中から暗い森にはヒグラシが響いていた 当たり年には、朝まだき 暗いうちからヒグラシの大合唱で起こされる、、 レンゲショウマ・キツリフネ・ツリフネソウ・リンドウ…

行 程

ゆうぐれどき 豆の月に 蝉 と 青松虫 が 声高に鳴き競う 春の終わりからすぐれない体調を家族が慮ってか 先日の海では、陽が傾いた夕暮れの散歩が主なる行動で ごろごろぼうやりと過ごした ひるひなかの海の熱射は 逃げ場が無いのが辛い そして ようやっと …

海礁Ⅱ

ぼんやり過ごしていたせいで 港や浜、磯の名前が混同していたことに気がつく 三浦海岸から海沿いに城ヶ島方向に車を走らせると 急に道が丘陵の坂を上がり 遠方に海が見える三浦大根で有名な畑地に出る 以前に迷って辿り着いた間口漁港の隣の大浦海岸へは 今…

海 礁

海へ 日曜午前の環状8号線は空いていて 第3京浜~横浜新道~横浜横須賀道路をSigur Ros・Radioheadを聴きながらスイスイ 横横道路の壁面には、思ったとおりタカサゴユリと思しき群生があちらこちらで見られ 種子で爆発的に増殖するという、可憐ではあるが…

迎 火

お盆 敗戦 高校野球 これらをこの時期の風物詩と言ったら軽薄かもしれない が、 蝉時雨の炎天に墓参すると 傍らの古い墓石に刻まれた歳若い青年の英霊を見留める度 その実を知らない私は それらが高校球児の汗まみれのかんばせとふと重なりあう刻がある ж 父…

風 奏

酷暑続き トウキョウ 中3の息子が所属する、部員数の少ない中・高混合ブラスバンド部が 第47回東京都高等学校吹奏楽コンクールに例年のごとく出場 帰省を遅らせ <府中藝術の森劇場> へ ここでは 真夏の5日間 朝9:00過ぎから夕方6:00迄 都内100校…

夜 蝉

早朝に聞く ひぐらし は 山の宿で聞くものと想っていたら 東京熱帯夜明けの薄明かりの中でも聞こえてきたので驚く、、、 つくつくぼうし も もう聞こえる 「つくづく 帽子を被っておでかけください」 と 朝から駄洒落を滑らせるおじさんは、土・日の天気予報…

遣 水

. 商店街を自転車で抜けると 打ち水に濡れた黒いアスファルトは こころなしか涼を呼ぶ Ж 原爆投下の日にちなんだ番組が多々ある中 ケロイドで耳を失った 在りし日の少年が 子ども達にとつとつと聞かせる つたえるべきこと の重さが沁みた 子ども時分にいやと…

睥 睨

もう何年も あのような へいげいする まなざし には 出会わなかったように想う。 雑踏が行き交うターミナル駅近くの通路 排気ガスと騒音と熱風と時折のアンモニア臭 2ヶ月ほど前からそこで寝食していると思われる いわゆるホームレス男 の 横文字の大判書籍…

賑 賑

梅雨明けが待たれるも 夏休みたけなわ 朝から みんみんぜみ・にいにいぜみ・あぶらぜみ が暑さを知らせる 電車には大きな荷物で旅行に出かける家族連れが目立つ 行きの子どもたちの楽しそうな表情と 帰途につく家族の子どもたちの疲れきって眠る表情が対照的…

異 化 Ⅱ

BS放送にて 戸井十月インタビュー番組を観る 1968年の秋から翌年までの日大芸術学部生によるドキュメントフィルムや東大闘争のフィルムが流れる中、日大と東大出身者の数人が、1968年を振り返りながら現在を語るもの。 「<自己否定>というスロー…

筐 底

6月半ば ペルジーノ展 春先から風に靡く告知の旗 『聖母子と二天使』 が気になっていた。 ここは一昨年のプラート美術の至宝展の折にフィリッポ・リッピ作品に出逢った場所でもある。 ペルジーノ(ピエトロ・ヴァンヌッチ 1450~1523) とりわけ私のような俗…

桜 桃

果実 は 水蜜・枇杷・桜桃 花 は 梔子・夏椿・時計草・擬宝珠・昼顔 が色目立ち 鳥 は 巣立ち雛の声もにぎにぎしく 遅れた入梅の貴重な晴れ間だと天気予報が告げる 息子の個人面談に学校へ 井の頭公園駅下車で、しばしお散歩 19日は、桜桃忌だが、入水は13日…

『イメージの裏側』フェデリコ・ゼーリ

大橋喜之訳 八坂書房 絵画に託された寓意・隠された真意を探る ゼーリ教授のイタリア美術解読の講演補綴本。 訳者は羅馬居住十数年が過ぎた奇人とあらば、その邦語感覚も美しく凍結してきたと謂えよう。 イタリア中世絵画・修復等ご興味ある御諸兄姉方 まず…

明 滅

◎BSで小学生時代に見たTV番組 「ゲバゲバ90分」を垣間見る ゲバゲバ とは、ゲバルトから採ったとか USコメディー番組とセサミストリートからの翻案で視覚重視で構成したとか、、 大橋巨泉と前田武彦の絡みは毎回生放送、新宿騒乱の夜にも中継した、、など 常…

螢 火

TVニュース等でも螢の話題を眼にするようになったと思いきや 高層ビルのエントランスホールに今週からおめみえしたビオトープは 大手証券系列不動産会社が協賛で、なかなか大がかりな仕掛け 好みの野草、バイカウツギ・ホタルブクロ・ユキノシタ・シモツケソ…

東 雲

しののめから日の出を待つ時間 4時ちかく 窓を開けるとカッコウの声が間遠に聞こえる 麻疹休校を得た息子が、それでも部活は続けている合間に海が見たいと言い出したので さっさっと帰ってこられる場所を考え 車でお台場へ 高井戸インターから首都高に乗り …

誤 謬

息子の中学で、はしか罹患者が出たということで一週間の休校 毎回の定期テスト後は、お遊びの行事が続くのでその種の休暇だと理解するが、夏休みが短縮とのことでちょっと気の毒。 高校部活幹部からは2度目の強制予防接種のお触れが出、古くなりつつある母…

紙 魚

ベランダの英国薔薇が咲き始めた快晴の朝 中間テスト最終日の息子を送り出して いざ ダ・ヴィンチ展へ …やれやれ出足が遅れた。 上野東博前へ辿り着くと炎天下に格子塀から垣間見られる大行列 先日のチューリッヒ工科大版画展の折に行っておけばよかった、、…

麦 秋

すでに5月も終わりに近づく いつのまにか紫陽花が頭をもたげ 露草、半夏生、ドクダミが伸張する叢 購入した育種家:デビッド・オースチンの薔薇 ゴールデン・セレブレーションが いささか居心地悪そうに葉色を濃く硬く変えて蕾を膨らませている。 ヒートア…

杞憂Ⅱ

この1年ほど ながらく脳裡に居座りつづけている本があり 書名を検索すれば自分の関心空間日記が引っ掛かってきて少し驚いた。 blog日記など、暗い海に放り込まれる消費言語 真新しい日記に現れる固有名詞が消費経済社会の情報抽出検索に貢献しようも そんな…

緑 蔭

◎国立新美術館にて旧友出品の国画会展 東京メトロ千代田線乃木坂駅6番出口からの直結は便利 展示形式の特異性によるものか 空間パーティションの迷路性にひどい頭痛 100号作品が所狭しと並び立てられると いいものだけのみ 眼に入る 工藝部門にはこころ…

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン派『ある男の肖像』

東京国立西洋美術館長であられた前川誠郎氏がかつて美術誌「みづゑ 1984 №930」にて紹介された館蔵品。 1430年代のロヒ-ル作と謂われるにもかかわらず疑いを表明する論者もいるという。 ウェイデン Rogier van der Weyden (1399/1400-64) は、ロベルト・カン…

緑 窗

連休中というのに早朝からおべんと持ちで部活に勤しむ子に起こされて 早々に家事が片付く五月晴れ ご近所の薔薇屋敷が見事に咲きそろっているので 神代植物公園はどんなものだろうと出かけてみると 今日は みどりの日 入園無料 知らなかった ラッキー しかし…

間 隙

連休の谷間 午後の上り高速道路は スイスイ ガラガラ 5月の新緑が快晴の強い紫外線に反射して輝きを増す時刻 右車線を、馬のマークのオープンカーがすべってゆく ここの車は、赤か黒しか見たことがなかったが スターリングシルバーブルー 淡い空色の品のあ…

独 居

渋滞の合間をくぐり抜けて久しぶりに実家に帰省 今回は一人でのんびり、、、とは、悠長に言っていられないのが世の常で 身体の動きが緩慢になりつつある母に代わって 老夫婦二人には無駄に広くなってしまった家の細々の整理・整頓など まずは箪笥三棹分の私…

懐 古

深夜 先月、国会中継で流れたBS2の映画『LED ZEPPELIN熱狂のライヴ』を観る 前回観たのは、?十年前のたしか中学生時代 夏休みに姉と二人で、場違いなワンピースを着て映画館前に並んだ記憶 こんな場面はあったかなぁ~ ここは憶えている、、、 ジミー・ペイ…

腐 蝕

チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品 イタリア・ルネサンスの版画展を観に西洋美術館へ 版画展は空いていたと思う 大作の為の習作や、大作を模した修作など 工房での画家や職人さんたちの練磨が垣間見える印刷物という流布のかたち 線刻の強弱のモノクロ…

風 塔

梅の花から山吹が咲くまでが春だという 先日の上水沿いの小道には白山吹がうつくしく枝垂れていたが いつのまにか藤の垂れ花が薄紫に咲き出した。 恒例の野球応援日 風が強く、新緑の木々にカラスも舞い踊るように飛んでいる ガクラン姿の応援団員たちは、気…

遠 景

5月の陽気という日がやってきたかと思えば 突然1月の気温に逆戻りという寒々しい日 相変わらずの消化器系不調をなだめて、浦和の埼玉県立近代美術館へ あまり余計なことは考えずに展示品を素直に鑑賞しようと思ったのだが 余計な想いばかりが脳裡を翳め飛…