紙 魚
ベランダの英国薔薇が咲き始めた快晴の朝 中間テスト最終日の息子を送り出して いざ ダ・ヴィンチ展へ …やれやれ出足が遅れた。
上野東博前へ辿り着くと炎天下に格子塀から垣間見られる大行列
先日のチューリッヒ工科大版画展の折に行っておけばよかった、、、
只今45分待ち の看板に飽きれて取りやめ 西隣のこども図書館で休息
ここは安藤忠雄設計に改装されて、美しくなる以前の上野図書館時代にもたびたび訪れた懐かしい場所。天井の高い開架式書庫といかめしい机の閲覧室には、かつての都立上野高校の生徒たちが溜まり場にしたとも聞いている。
書架の暗がりの古く黴臭い、独特の本の匂いと、じめじめとした地下室の床屋と売店は忘れられない。
新装の閉架書庫から 大正11年版:世界少年文學名作集『影繪』を出してもらう
いやはやこれは寡婦とその独り息子が、影絵遊びに耽るあまり、やうやう狂気に陥ってゆくさまを描いた話だったか と、忸怩たる想い。
昭和初期の中井英夫少年が好んだ哀しいコント。
帰りに通りかかった旧東京国立文化財研究所:現黒田記念館の無料開館日に出くわし 智・感・情 の大作に魅入る
赤外線モノクローム透明画紙原寸大2通りと、頭部拡大部分に転写された展示形態の工夫が良い
さすがにラファエル・コランのお弟子だけあってデッサン力は確かだなぁと感心はするものの、この人の官僚的な風貌はどうも好きになれない。
官僚的ではなくて、官僚デシタ。