迎 火
お盆 敗戦 高校野球
これらをこの時期の風物詩と言ったら軽薄かもしれない
が、 蝉時雨の炎天に墓参すると
傍らの古い墓石に刻まれた歳若い青年の英霊を見留める度
その実を知らない私は
それらが高校球児の汗まみれのかんばせとふと重なりあう刻がある
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父からこれまで聞いていた兵役の話は、およその徴兵検査や出征・帰途の話
詳細の内実についてはあまり耳にしたことがなかった。
半年に満たない兵役は、成人したばかりの青年の父には 或る意味、幸運だったろう
空襲が激しくなる中、行き先不明の貨車に乗せられた夜間の移動
若き志願兵の常軌を逸した同胞への暴力
軽はずみな単独行動を決行した兵卒がB29による機銃掃射で、浜辺で簡単に逝ったこと
8月 3度目の移動地 九十九里では
上陸するだろう米戦車に向けて
手榴弾をもって自爆するよう命令が出たという、、、
その後の 闇の昭和史
旧財閥 と GHQ絡み による レッド・パージの不可解な事件 など
短い時間ではあったが久しぶりに父と会話