もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

2007-01-01から1年間の記事一覧

傳 播

. 遠く バチカン近くの空のもと ピントリッキオ聖母子像もさることながら 尊い妄語に倦み悩むそこのあなたにも伝えたく 祥さん日記のご紹介から辿り着いた Connor Burrowes G・フォーレRequiem:Pie Jesu 私がキーワードにG・フォーレRequiemを2つも取り上…

冤 罪

ETV特集 熊井啓 戦後日本の闇に挑むを観る 番組のはじめから終わりまで一貫して拘り使用された 敗 戦 という ことば の 重さ を 再びあらためて感じるとともに 確実に 終戦 では なかった 今に続く現実を知り 熱いものがこみあげてくるのをぬぐえなかった 新…

廻 遊

. とても寒かったにもかかわらずあたたまった一日 顔見知りのみなさま + 旅慣れた気さくなのっぽさん(お帽子姿がマッチ棒のよう:スイマセン) 5人で 師走クリスマス賑わいの銀座周遊 といっても、多くの人が集まる賑やかなイトシア界隈ではなく 私がかつて…

透 視

. 確か この辺りにあったはずなのだが見つからない。 もうだいぶ前のことだから 店自体が既になくなっていても不思議はない。 web検索ができるようになって 目的の店の場所も その存在の有無も 予定があれば前もって確認できるようになった今日この頃 しかし…

笑 納

郊外のちいさな駅から徒歩で数分のところ 武蔵野の雑木林を吹きぬける北風が枯葉をゆらし 人なつこいキジバトが散り敷いた落ち葉を裏返しながら なにかを啄んでいる。 見上げれば 赤い実をたわわにつけたイイギリの空をヒヨドリが横切った。 夏から体調を崩…

柚 馨

. 地雷を踏んでしまったので 自爆テロで応酬 応援団数人が瞬く間に駆けつけ 感謝のことばをたくさんいただいたが 利害関係で耐え忍んでいた方がこんなに居たとは またこちらがびっくり 見守り支えてくださった方の力が 行為に駆り立ててくれた 何人もの人が…

操 作

年の瀬 この冬の 公務員や民間企業の賞与の平均額がマスメディアで報道された日 TVでは リクエスト特集として 「ワーキングプア~働いても働いても豊かになれない~」が再放送されていた。 妻に先立たれ、リストラで職を失った食べ盛りの二男児を持つ父の涙 …

鈴木弘尚

. 1978年生まれのピアニスト 1998年第14回園田高弘賞ピアノコンクール 園田高弘賞(第1位)受賞 2002年チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門セミファイナリスト、特別賞受賞 2003年浜松国際ピアノコンクール第5位入賞 * 銀座ヤマハサロンコンサートで…

雪 譜

いかばかりか気の早いオースチン薔薇の剪定が済み 植え替え準備をと、参考雑誌を取り出すと 隣に、雪の結晶文様がうつくしい 『北越雪譜』が表紙を飾る小誌を見つける。 http://blogs.yahoo.co.jp/fumimalu/... 折りしも今朝はこの冬一番の冷え込み 北国では…

双 璧

先日 ギドン・クレーメル&クリスチャン・ツィメルマンのデュオコンサートに行ってきました。 演目はブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調作品100 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 第1番「雨の歌」 ト長調作品78 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 第3番 ニ短調作品108 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 世界的に著名なヴァイ…

喧 騒

せっかく耳についてきた鈴木弘尚版 ヒナステラ:アルゼンチン舞曲集 ♪優雅な乙女の踊り(2曲目:1:35あたりから) を気分よく脳内に鳴らしながら道を歩いていると 遠くから にぎにぎしい音楽がしだいに近づいてくる ♪わたしゃ音楽家 山のこりす ♪もりのこか…

均 衡

日曜の新聞書評欄に村上春樹新刊本が掲載されていた。 神保町の新刊本屋にピラミッド状に山積みされていたのを見て 手に取るものの 気後れして棚に返した本。 この人の小説作品は8割は読んだように思う 初期のものはもうずいぶん忘れてさまざまな作品がない…

聲 音

怖ろしいほどに澄んだ空 透明な空気にあたたかな馨りが心地よい 焙煎の匂いに誘われて 寂れ気味の商店街の中ほど 新しくできた珈琲豆屋に入ってみると 親切な中年ご夫婦が対応してくれた。 「苦味が好きでマンデリンやフレンチローストが好みです」 「では …

冬 鳥

柿色の ジョウビタキ がアンテナの上でさかんに縄張り宣言をしている 池には オナガガモ もやってきた 冷たい雨に急に色づきはじめた街路樹のハナミヅキ・ケヤキ・イチョウ・ソメイヨシノ * 先週は中3息子の学校がペアレンツウィークという一週間の保護者の…

過 客

このごろ 電車内のアナウンスはもちろん 車掌さんにも若い女性の姿を見かける 先日、最後部車両に乗り合わせると 制服制帽姿 てきぱき働く20代前半?のおねえさんの姿を間近で見た まもなく発車します 駆け込み乗車は危険ですからおやめください 扉が閉まり…

叱 咤

日曜朝 TV番組のチャンネルを替えていると なにやら聞き覚えのある旋律 前髪パッツン、揉み上げパッツンのクリスティアン・ティーレマンが ウィーンフィルを棒振りするワーグナー楽劇 『トリスタンとイゾルデ』 前奏曲と愛の死(2003年サントリーホール録画…

破 顔

神無月の終わり ゆき過ぎる嵐の晩 風に弄られるだろう丈高い薔薇の蕾を斬り落とし 部屋に活ければ 堅くとぢられたように見えたそれは 翌朝の光を得 芳香とともにゆるやかにほころびはじめた。 * なにやらあわただしく過ぎたこの10月 月初めには 軽い脳梗塞で…

馨 苑

今年の神代植物公園の皐月薔薇はガーデニングショウのために見逃したので、、 というのは少々言い訳じみてしまうか、、、、正直、D・オースチンのイングリッシュローズの数々、新しいのに古風な風情を持ち合わせるそのやわらかな花付きや色・形の変容、香り…

愁 曲

気持ちよく晴れた秋日の土曜日 昼下がり ご案内をいただいていた吉田稔美さんの朗読会とジョングルール・ボン・ミュジシャンの演奏があるというので、お散歩がてら雑司が谷旧宣教師館へ 古楽器の郷愁の音色に魅せられた因を想いかえせば ずいぶん前に聞いた…

Powell Flutes Japan

. 人の息が吹き込まれて初めて音を奏でる管楽器 殊に フルートの起源ともいわれるパンフルートは 神話によれば 束ねられた葦を吹き渡る風であったとか、、、 アンデスの縦笛ケーナも 葦や人骨で作られたといいますから 気を動かす という意味で 笛が古くから…

蒼 穹

果ての無い青空に向かって走り廻って遊んだのは子どもの頃 やはりその魅力は蠱惑的な青の魔力ともいえるもので なにものをも吸引するという白鳥座X-1に通ずるものか 百舌鳥の高鳴き ジョウビタキの空耳 * 朝夕はめっきり涼しくなったといっても 昼の陽光…

寒 露

窓を開けると金木犀の馨りが漂ってくる 葡萄もまもなく終わり しゃきしゃき林檎の季節の到来 * さいたま市に14日にオープンするという鉄道博物館のプレゼン番組を2つほど見た。駅名も鉄道博物館駅に改称するというから力が入っている。 入場はSuica利用で…

玲 瓏

月の輝くさまをも 玲瓏 とよぶだろうと常々想っている 月への陽光の照り映えが 翳となった地上から見える光、、、 秋の夜半のそんな窓辺に ぼうやりと一冊の本の頁を捲る独りの時間はまた格別でもある 『玲瓏』という歌誌は創刊当初しか知らないが マットな…

木 犀

自転車に乗って買い物がてらの散歩に出ると 紅の彼岸花がにょっきりと眼にもけざやかに咲ききそい ブッドレアにはツマグロヒョウモン 枝垂れるムラサキシキブの実 公園の森には 颱風で散り敷いた クヌギ・コナラ・ムクロジの実を 拾い集めて遊ぶ 幼子の声が…

風 媒

『 夏の終わりと永久運動 』 軽いエッセイのような文章だったと記憶するが その内容よりも表題のみがいつまでも残り 夏の終わりになるときまって想い出す (正式名 友だちと永久運動と夏の終わり 村上春樹1981年文學界11月号) … 誰も 永久運動など したくな…

露 蟲

花屋の店先に秋明菊や鶏頭の苗が並ぶ とちのきの実 や まてばしいの実 も ぷっくり膨らんだ 秋の長雨が明ければ すっかり秋になるのだろう TVから幾度となく大写しで流される映像の顔 何日か前から 言いよどんだり 視点が泳いでいるように見えたのは私だけで…

桎 梏

歯科診療が3ヶ月目に入った 数年前に抜歯して、ブリッジ処置した左下4・5(抜歯)・6 歯肉の疼きが日に日に酷くなった為、 一般的によくいわれる健常歯4・6への負荷で、虫歯でもできたろうかと自己判断はしていた このクリニックは、親子ともども十数…

フョードル・ソログウブ『影繪』

フョードル・ソログープ(Фёдор Сологуб 1863-1927) 『 影 繪 』 前田晁譯 精華書院 大正11年刊 書籍にうずもれた茅屋にて たった一度だけ眼にした濃紺沈色の厚表紙の本 その譯者序には朱色の文字でこうあった この書の読者が少年諸子である場合を慮る。 少…

邯 鄲

「出るべき家がなければ 家出はできない」 などと言っていたのは 寺山修司だったか? 夏休み明け 新学期ともなると 東京にはなぜか 日本各地から家出少年・少女が集まったというから面白い 受験のないここちよい(はずの)学校に通う愚息の終わらない宿題の…

旅 蝶

秋を告げるヒョウモン蝶類が橙色の翅を翻し 森が開けたお花畑をすばしこく飛んでいる ほんとうならゼフィルスたちにお眼にかかりたいところ 季節が遅すぎる、、 昨年は、カラマツの森を抜けた西ノ湖バス停付近で エルタテハ・コムラサキ・ヒメキマダラヒカゲ…