もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

日記

靑 琴

. ギュスターヴ・モロー『オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘』 いちまいの ゆふすげ原を しずめゐる 神 そのくらき憩いを われに 岸田典子歌集 『青 琴』 より * * * * * * 靑 琴 醉 眼 涙 泓 泓 李賀 「 秦王飲酒 」より * * * * * * ふと 李賀歌詩編 を…

羈 旅

これは私が少女時代に読んでこころ痛み、息子の小学校の本読み活動でも取り上げたお話 『百枚のきもの』エリノア・エスティーズ著:石井 桃子 (翻訳)現在『百枚のドレス』と改訂 欧米に根強く残るポーランド人への社会的差別を根底に、移民の子であるワンダ…

檜 扇

早 朝 蔦 や ギボウシ の わくらば の世話をしながら めったにしない玄関廻り繋がり 共用通路のあたりまで掃き掃除をしていると 間遠に カッコウ の声 しばし一服 オナガに托卵でもたくらんで 追いかけられぬように、、 ------------ 土曜日は、ルーシー・リ…

麦 秋

五月も終わり 杜鵑の声はいまだ聞こえず スイガズラ・ハコネウツギ・エゴノキ Hydrangea ヒドラの潜み の 紫陽花 も 顔をもたげはじめ 李朝徳利 に バイカウツギ を投げ入れました。 * * * いつぞやの朝まだきは 早起きの得か 亀山郁夫さんが 母校高校の図書…

異 郷

五月雨の昼下り 市民による企画・運営・演奏という フォーレ レクイエム を聴きました。 6歳から80歳の方が参加しているとのこと みなさま たぶん、全くの素人ではなく、音大出身の方や相応の経験の方々なのでしょう、、 イタリアから指揮者を招聘し、ソ…

緑 蔭

. 薔薇の少女よ 飛び降りてこよ 薔薇の少女よ 縄跳びをせむ 中井 英夫 早咲き は、既に終わりましたが わが家のちいさなベランダガーデンの ER薔薇 が 今を盛りと咲いています。 いつぞやの5月のガーデンパーティーでは さながら 「美酒をすこし 海に流し…

炯 眼

日本国憲法(抄) (昭和21年11月3日) 第七條 天皇は、内閣の助言と承認により 国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。 七 栄典を授与すること。 第十四條 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。 ------------------ 春秋で…

舟 歌

. Barcarolle Op. 60 Krystian Zimerman 今年はショパン生誕200年 ピアノにはご縁のない方でも街中に溢れるさまざまなショパンメロディは はたまた たくさんのビートルズ楽曲のアレンジにも似て 受け入れ易く 耳馴染みよい旋律が多くある所以 と、思いま…

進 捗

旅の途中のアオジなのか 新緑のゆれる欅に 高原で聞くような澄んだ囀りが響きます 注意深く耳を澄ませると 南からやってくる旅鳥たちの囁きを都内でも聞くことができます ことりのさえずりHP 鳥の師匠松田道生さんのblogをみると 六義園でオオルリやアカハラ…

腐 心

ふたたび 息子のおべんとが始まり2週間目 おべんと作りも6年目に突入して、小鍋洗いの多い朝も、もう少しの辛抱です、、 先週末は、年度始めの保護者会&PTA役員決めでした。 全体会を見まわすと、相変わらずお父様方の出席率が高く 年度始めにしては、人…

燕 尾

. つばくらめ さみどりの風を はこびけり 時折 エレベーターでご一緒したり 集合住宅の郵便受けのあるホールで何度か挨拶を交わすうちに、数年前から親しくなったKさん・Nさんは共に年長のお姉さま方 殊にKさんは、母ほどの年齢の未亡人で 一昨年、ご主人…

芽 吹

慌しくも 卯月 今年は鶯のぐぜりもまだ聞いていないのですが ツグミも姿を消して、夏鳥が南からやって来る季節になりました。 遅く植えたアネモネが たくさん芽吹きはじめ、にょろにょろのような葉っぱばかりが繁茂してなかなか蕾が見えてきません。気長に花…

衣 鉢

「一、葬式無用」 「一、戒名不用」 白洲次郎は遺言までスマートであったか、、 この実用新書をもう少し前に読んでいたら、この1・2ヶ月をもっと潔く過ごせたかもしれないと口惜しい 四十九日 初彼岸も終る 喪主に近いことはこれまでにあっても 実際、喪主…

花 蘰

ご近所のお宅のミモザが咲き揃うのを楽しみに眺めつつ、いつの日か、この花が花粉の季節を告げる花にもなってしまいました。 三寒四温は飛び越えて 四寒一温ほどのこの頃 本日の飛散量は年明け最大になるとのこと 私はここ数年、眼の痒みが酷いのですが、初…

常 套

. ブンガクの世界では 成り上がり よりも 没落 こそ が う つ く し い 以前、寺山修司が 家出のすすめ の折に、 「あぁ~これ 出る家がある場合の話ね(青森イントネーション)」 と、言っていたような気がしますが 同様にこれも 「没落に値する 家 がある…

無 常

. イワン は 馬鹿 だ トルストイ のほうではなく スメルジャコフが犯人のあの話のことである 父殺し は 実のところ自分なのではないか いや 自分なのだ と 自責と妄想に苛まれながらイワンはしだいに狂ってゆく この長長しい物語が永年に渡り読み継がれる訳…

双 清

双清 とは 梅・水仙 を画題としたもの (先日の天声人語より) 越前・鋸南・爪木崎の水仙の便りを聞き、暮れに買い忘れた水仙を想い、急ぎ花屋へ赴くと スイトピー・チューリップ・ヒヤシンス・ラナンキュラス・アネモネ・菜の花など、春の花がとりどりに店…

焔 火

. 不眠の天使さまよひゐるべし 小さなる黑き菫の束あるあたり 「 灰 姫 」 葛原 妙子 * 一時は水を飲む力もなく、重篤な状態に陥ったものの 見事に回復した入院中の義母に食欲も出てきてひと安心 先日の昼食は、流動食のお粥に柚子味噌が添えられ 病院食も季…

年 瀬

トラトラトラ の日も過ぎて シンガポール・北海道・沖縄 の3ヶ所から 自由選択する息子の来月の修学旅行先は、学内2番人気の沖縄となりました。 一番人気はシンガポールで、あちらは100人弱の一行になるとか、、 旅行課題本(高文研)に目を通すと 諸島…

甃 石

やがて冷たき闇の最中にわれら沈まむ、 さらば、束の間のわれらが夏の強き光よ。 われ既に聞く、中庭の甃石に 痛ましき響を立てて落つる焚木を。 冬のなべては身の裡に今し還らむ、 憤怒(いかり)、憎悪(にくしみ)、戦慄(をののき)、恐怖(おそれ)、厳…

尊 厳

. ちっち うんう 息子が排泄を知らせるようになったのは摑まり立ちの頃だったろうか、、、早々、幼児用便座に座らせ ひとりで初めてできた時は、小躍りして誉めた事を思い出す * 10月末の夕刊連載 排泄と尊厳 の記事は 近い将来、身近に起こることゆえ気に…

枯 淡

ちきちき ひんひん モズ ジョウビタキ の高啼きが賑やかな季節 池には北から鴨の来客も 秋 は うつわ ではないけれど 益子・笠間の雑誌で気になった方の展示会が折よくありました。西荻魯山で行なわれた額賀章夫さんの展示会に行ってきました。 手にとってし…

妄 誕

きっぱり と来るのが 冬 紺碧の空に映える富士の高嶺の雪被り ゆうぐれの耿々とした月あかりと星の光に いくぶん早い初冬の訪れを感じるこのごろ * 松丸書店も見たかったので久しぶりの丸の内 本好きの人には、かえって見難い棚になっているかもしれません。…

須 臾

時間があればあったで先延ばしにしてしまう事柄も いまはこれまで と、期限付きなら思い切りよく出かける私のいい加減なフットワーク ここ数年、春秋と薔薇の季節には訪れていた神代植物公園 昨年は期を逸して見逃しました、、、、 魅了されたイングリッシュ…

点 睛

衣替えの季節 はまた 秋薔薇の季節 でもある 袖を通さなくなった冬物にもブラシをかけてみたり 樟脳の匂いを飛ばすために陰干しをしたり 例年の暖冬のため、冬支度にはまだ早いと思いきや ジョウビタキの甲高い声が、澄んだ空気の中に響いている * 久しぶり…

宵 待

雨降りお月さん 雲の影 夕刻 東の縁に座卓を出して 秋の実りの供物を並べた日は今何処 * 連休明けから月末の繁忙が過ぎてやっと一息 あっという間に過ぎる時間、、、 多忙な人は人生がいかに早いことか ひとえに私の時間の使い方の不味さがそう思わせるので…

巷 間

彼岸花が咲き出した 秋晴れの爽やかな日和に久しぶりに外濠公園散歩 千代田区富士見の戸建てに住む待ち合わせた先輩は カットモデルをした美容院帰りで遅刻 神楽坂紀の善で一服した後 どなたも並んでいないのでぺこちゃん焼き なかなかコワい 顔 顔 顔 * こ…

土 俗

山下菊二 はじめて耳にする名前だと思えば 大江健三郎の文庫装丁画などをしている、、 日曜美術館放映の作品『あけぼの村物語』は 動物たちの表情が、一見 賢治童話の挿画を思わせ、語りの田中泯の鈍重な声に注意深く耳傾けると、その異様さときたら、ヒエロ…

愁 音

夕顔の花がつぎつぎに咲いています この夏は、しのぎやすかったものの 秋の味覚の出来具合がちょっと気になるこの頃 初もの 秋刀魚も出まわりはじめました 草叢からはお盆前からエンマコオロギの声 地上の蝉の亡骸が、不意打ちの如くバタバタと黄泉還る すさ…

野 分

地震と颱風が一緒にやってきたので お盆の帰省に影響が出ている方も多いことでしょう みなさま どうぞお気をつけて 都内は、道路も電車も空いてきたように思います * 今朝は、5月に見逃したグレン・グールドの1回目の番組を観る為に5時起き BSと勘違いし…