土 俗
はじめて耳にする名前だと思えば
大江健三郎の文庫装丁画などをしている、、
日曜美術館放映の作品『あけぼの村物語』は
動物たちの表情が、一見 賢治童話の挿画を思わせ、語りの田中泯の鈍重な声に注意深く耳傾けると、その異様さときたら、ヒエロニムス・ボッシュのようであり、マックス・エルンストのようでもあり、作者の外地での戦犯体験意識も内在して、ひと言では片付けられない物語性を孕んで引き付けられた。
画のタイトル あけぼの村 は、山梨県の山村で起きた小作蜂起の陰惨な事件に題材をとると言う。http://ja.wikipedia.org/wiki/...
「なぜ日本人は強く因習や世論にとらわれる性質なのか」
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何かの小説で読んだ、没落貴族婦人の惨めな最期
過去の栄華が支えるプライドが捨てられず
自死のごとき末期を迎える
いくばくかの想像力と決断力さえあれば避けられる不幸なのに
それらを選びとる意思すらも失くした老醜
人を翻弄する運命の虚構が目前にも展開する不思議
あちらこちらに さまざまな老いの手本があり
考えさせられる このごろ