もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

土 俗

山下菊二

はじめて耳にする名前だと思えば

大江健三郎の文庫装丁画などをしている、、

日曜美術館放映の作品『あけぼの村物語』は

動物たちの表情が、一見 賢治童話の挿画を思わせ、語りの田中泯の鈍重な声に注意深く耳傾けると、その異様さときたら、ヒエロニムス・ボッシュのようであり、マックス・エルンストのようでもあり、作者の外地での戦犯体験意識も内在して、ひと言では片付けられない物語性を孕んで引き付けられた。

画のタイトル あけぼの村 は、山梨県の山村で起きた小作蜂起の陰惨な事件に題材をとると言う。http://ja.wikipedia.org/wiki/...

   「なぜ日本人は強く因習や世論にとらわれる性質なのか」

                  *

 何かの小説で読んだ、没落貴族婦人の惨めな最期

 過去の栄華が支えるプライドが捨てられず 

 自死のごとき末期を迎える

 いくばくかの想像力と決断力さえあれば避けられる不幸なのに

 それらを選びとる意思すらも失くした老醜

人を翻弄する運命の虚構が目前にも展開する不思議

     

 あちらこちらに さまざまな老いの手本があり 

        

      考えさせられる このごろ

土 俗の画像