もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

2006-01-01から1年間の記事一覧

丸善の傘

ここは日本なので 晴れた日にも傘を持ち歩くおじさんは少ない。 佐野洋子さんの絵本『おじさんのかさ』に出てくるおじさんは、 りっぱな杖のような傘を 出かける時にはいつも持ってゆく。 雨が降っても その傘はささない。 「かさが ぬれるからです」 という…

逡 巡

夏のボーナス商戦なのか、街が賑々しい。 立ち寄る店の物・物・物に欲望がふつふつふつと湧き上がる。 身内の者が逝った折、残された者にとって、不用品が山積みされた記憶は新しい。私もあと20年程の裡には、身辺こざっぱりと必要最小限の持ち物に整理して…

要 領

生来、機械などには弱い性質なのに PCの購入・プロバイダ契約・設定・修理・製品交換・アクセス不具合など 8年前から全て自分でやってきた、、、。 そうして2ヶ月前からヒカリ環境を得たというのに どうしても面倒心が先にたって、設定は放りっぱなし 息…

柄澤 齊 木口木版画集

Hitoshi KARASAWA The Wood-Engraving Prints 阿部出版 1991.4.11 個展の折に 銀座シロタ画廊 で購入 1971-1991 木口木版作品が網羅 初めて作品を間近で観たのは確か77ギャラリー 標本箱のような箱に 美しい蝶翅を持つ いだきあうちいさき男女が納められて…

観 照

ツユクサ・ユキノシタ・アジサイ・ウツギ・ハコネウツギ・スイカヅラ・ホタルブクロ 梅雨が近づいている クリ・マテバシイの花の、鼻をつく匂いは芳しいとは言いがたし。 ◎ブルータス 最新号 全730冊本特集!本ラブ。 http://www.brutusonline.com/brutus/..…

敗 北

空席を見つけるや、お尻から押し込むように座り込むのはハシタナキ中年婦人ばかりと思いきや、そうはあらぬが世の常の話。小錦関よりは随分小ぶりとはいうものの通常の大人の体格の三倍はある、、よく視れば鼻息の荒い若き青年、、、一人分の空席には収まら…

霊 石

数日前 初めて降り立った私鉄の駅の商店街を歩いていると 古書店の店先に『リラダン全集』『齋藤磯雄著作集』がちらり。 おいで と よそびとには聞こえぬ声に導かれ、、店内へ。 かつて見慣れた興味深い人文科学書の数々 買いそびれた本がうずたかく積まれて…

連 綿

2006年 五月の終焉 郊外に赴く 朝まだき コジュケイの声が間遠に聞こえたと思うや、至近からけたたましく響く声に驚いて草叢を探すが姿は見えず、、かまびすしき外来鳥也。 紙切れ一枚の契約がもたらした地縁・血縁結合の煩雑 吾ひとりの関係性からはけして…

阿 諛

月一で一週間 米国からやってくるおねえさんが今週も元気だなぁ 岩波の「図書」2006・春 をもらうと 新書:新赤版 1000点突破 リニューアル とある http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/... 新書にはあまり馴染みがなかったが 通勤電車では読みやすい版型 …

生誕の災厄

朝8:00から THE DOORS の紙ジャケCDを掛けていると うるさい と家族から顰蹙をかう。 Break on through to the other side Break on through to the other side Break on through Break on through 昨夜の M氏の言葉 があれからずっと響いている 真摯にそれ…

聞 香

恒例の皐月薔薇を見に神代植物公園へ しかし平日の午前中というのに 第一駐車場は満車 仕方なく遠くの第二へ ここは終日500円だという。 午後から雨だというので雫薔薇を狙おうか、、、 この冬は天候不順だったせいかまだ満開とは言い難く 咲き始めの白薔薇…

胡 粉

蛤の内側を削り取って粉にし、それを白顔料として使うのだと耳にしたのは、かれこれ二十年近く前。文京区小日向の高台、趣ある日本家屋では、夏でも網戸を開け放ったままで、私はたちまちに薮蚊の攻撃を受けた。 肉筆浮世絵の巻末にと、確か遊女の話を伺いに…

共 振

澤野工房 YOGI JAZZ JOKI FREUND SEXTET http://www.jazz-sawano.com/magazine/... CD屋で掛かっていた新譜 息子と共に琴線反応 ★4.5 40年前の作品とは 想えない スリリングな諧調 このところのヨーロピアンジャズシーンは、ECMに席巻されていた感、 澤野工…

翳 眼

激しい雷雨の中 9年目のぽんこつダブルシェブロンを転がして日帰り帰省 オイル漏れもあるから、決死の覚悟だ。 ハンドルをちょいと振れば、、ミンチ、、、 そんなことを想像しながら右車線へ出る 高速はスイスイがらがら 連休前の狭間で正解か しかし 帰路の…

青 蛾

新宿の裏通りにあった茶店を想起される方は もはや 折り返し地点 二・三度 知人に連れられ入ったものの ほとんど記憶から消えていた店 深い霧の彼方の一点の光を辿るように 記憶を手繰れば ぎしぎしと泣く床と狭い階段と ほの暗い室内 失われゆく記憶は どの…

邂 逅

新宿紀伊國屋書店 ◎新刊書籍 『団塊パンチ』 飛鳥新社 ムックかと思ったら書籍コード。B5変型 征木高司氏の文章は読み慣れたつもりだが、やはり面白い。 ◎新刊雑誌 「新潮」 出口裕弘氏の坂口安吾も気になって購入。 出口氏には、その昔 シオラン(だったと…

形 骸

カタチ は こころ に 作用する あたらめて強く想う。 文体・語彙・語法・色彩・構図・配置 思考の手順 きらいなものはあるものだ。 日記にタイトルが必須なのも 気に入らない。 ロゴデザインも変わったのね。

投 擲

18日夕 息子の言 「今日、高校の先輩たちが座り込みをしたらしいよ」 をを とうとうやったか、、、 腰抜けどもめ と思っていたので撤回しましょう。 しかしどうせ僅かな有志に違いない、とたかをくくっていた。 19日夕 学校側からのプリントを見て 嗚呼吃驚 …

櫻 山 (多摩森林科学園)

東京の西のはずれ 高尾の里に広がる 櫻の山 やや起伏のある小山を上り下りすると 視界に広がるのは 日本の櫻の全て 花の時期には 3月寒櫻からはじまり 5月の八重櫻まで 吉野の山かと見まごうばかり 鶯の谷渡りを聞きながら 日本各地に咲きほこるさまざまな…

(タイトルなし)

あたたかな宵 アブラコウモリ が 薄闇の中空を斬る 今日は ツバメ コウモリ が はたはた急転回 するのに較べて ツバメ は ひくく あるいは 急上昇しながら滑空する 博物館で見た か細い骨の構造が うすらと浮かぶ びちびちびちびち 玄燕 来る ちょっと気にな…

(タイトルなし)

新年度1回目のPTAに出席 学校改革に伴い これまでの 自由・自主・自律 の校風に横風が、、 教師陣も上着・ネクタイ着用が義務付けになった。 いつも一澤帆布の鞄を提げて 何時も黒づくめコットンジャケットにコットンパンツの息子の担任 H先生は、とて…

(タイトルなし)

「勝ち組」「負け組」という言葉が流行りのようだ。 新学期の始まった息子の教師達も、3人がこの言葉で、年度始めの挨拶をしたという。 個別の内容はいざ知らす、、 何に勝ち、何に負けることなのだろう。 世間に勝ち 世間に負ける 己に勝ち 己に負ける よ…

(タイトルなし)

確か学生時代に古本屋で購入 あまり面白くなかったような記憶で放り投げておいた思潮社/ウォルポール『おとらんと城綺譚』は、これまでにもちょっとした引っ掛かりで何年かに一度は手に取ってきた。それが今日の読書でまたもや引っ掛かり、、、奇妙な面白さ…

(タイトルなし)

よそびとのイメージの連鎖 もしくは意識の流れ それらが 表現によって、 あたかも読者が追体験したかのように意識づけられてゆく 別のもう一つのイメージへ …小説の方法は 不可知の雲 は 不可知のままに という ゆだねられた翻訳認識に近いかもしれない… 樹…

(タイトルなし)

相変わらず定期券売り場は大混雑が続いている。 フレッシャーズ 外国人旅行者の団体 進入学の学生達が、なじめない風貌で目に入る。 世も春ですね。 * 新刊書店の棚差し 古井由吉がずらり 、、、書評の関係なのだろうか?

(タイトルなし)

櫻のはなびらの散り敷いた小道を歩く あはれ花びらながれ をみなごに花びらながれ をみなごしめやかに語らひあゆみ うららかの跫音空にながれ をりふしに瞳をあげて 翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり み寺の甍みどりうるほひ 廂々に 風鐸のすがたしづかなれば…

(タイトルなし)

早朝 ツグミが櫻の天辺でキョキョキョキョ啼いている。 風が冷たい。 仕事帰りに品川啓祐堂へ 坂道に咲く櫻はまだまだ見ごろ 八重櫻も咲き出している。 坂東壮一個展は、ご主人のコレクションの放出中心 見た記憶のある懐かしい作品に邂逅 見たことのない70…

(タイトルなし)

マッカーサーを叱った男 白洲次郎・戦後復興への挑戦 http://www.nhk.or.jp/sonotoki/... 食事の後片付けの手を止めて見てしまった番組 神戸のやんちゃ坊主が 町田で農家をするにもカッコよすぎる、、 最晩年は白のポルシェ 小林彰太郎氏が じじなび で挙げ…

(タイトルなし)

熱を出すと、感覚器官のある部分は非常に敏感になるのに、ある部分は凡庸になる。悪寒が残るが仕事。 舗道のわずかな隙間からセイヨウタンポポが顔をのぞかせ 雑草のように増えている橙色のナガミヒナゲシが愛らしい。欅・ミズキの緑の芽吹。 ◎花鳥展 伊藤若…

(タイトルなし)

3日連続の花見が祟ったか 発熱・頭痛・吐き気 何があっても食事は作らねばならぬという拷問を終えて、ようやく布団にもぐり込むと熱の為の妄想か、、瞼の裏にひかりの環っかが浮かんでは消えてゆく、、、意識は確かだ。 数日前、車中で隣り合わせた、網目の…