もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

愁 眉

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 かれのクールエイドときたら

 いわば理想的な濃度の影であるにすぎなかった。

 

 かれがつくるクールエイドリアリテイはかれひとりのものだった。 

 それは黙示の世界であった。

 

「クールエイド中毒者(ワイノ)」『アメリカの鱒釣り』 より 

 リチャード・ブローディガン/藤本和子譯           

 1975年1月20日初版 1995年7月20日32刷 晶文社 

 

 この本の初版が上梓された頃、地方都市の中学生はアンドレ・ジイドに裏切られつつも

もつれる指でバッハインベンションの練習をしながら

キング・クリムゾンレッド・ツェッペリンを爆音で聴いていた、、

 

1970年代のアメリカと言えば、ベトナムの影が色濃く覆い 

60年代の子どもにとって後に知ることとなった 

あの THE DOORS の THE END が鳴り響く 

錯乱狂気の F・コッポラ『地獄の黙示録』に繋がってゆく死の憂鬱が隣接する時代、、

 

しかしながら 藤本和子さんという方は 軽妙洒脱な日本語を飄々と遣い、一見して諧謔とも想われる独特の世界をかたちづくる、、、

これは、ブローディガン なのか 藤本和子 なのか よくわからない

http://www.kanshin.com/diary/2080516 

この2月 GOLDさんの日記 と 雑誌「考える人」 の示唆により 触れることとなったブローディガンのことばたちはたいへん興味深いものでした。

 

 

  文体 は だいじです 

 

 

喰わず嫌いで遠くにあった アメリカのものがたり

トマス・ピンチョンは相変わらず遠~くに在りますが、新潮社が頑張っているようすですし 新訳なら私でも、とりかかれるでしょうか?