もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

芽 吹

 午前2時 子どものことや 家のこと   

ずいぶん前の朝日川柳で見かけたものです

上手く言い当てていて 事あるごとに浮かびます

年度末は節目の時期で  落ち着かないことも多々あって

胃も ちりちり 寝返りばかりで ぼんやりとむかえる朝

せっかくの暖かさ

気分転換に こ一時間ばかり 久しぶりに早朝ウォーキングに出かけると

レンギョウミモザ・白木蓮が咲き出して

沈丁花の馨が漂う中 下草には春の野の花(画像中オドリコソウ?・オオイヌノフグリ)も見られました

越冬組のテントウムシカメムシが小さなベランダをよたよたと

植物の伸長も著しく

5月に咲くはずの薔薇の冬芽は 1月の終わり頃から既に膨らみ始め  

つる性薔薇は 花芽も出てきたような勢いで このまま行けば 4月に咲いてしまうかも

昨夏は 家を空けた間に 長年育てたミニ薔薇が3鉢 駄目になり

鉢を減らす機会にしようとも思いましたが 

秋の終わり 小山内健さんのローズレッスン会場で 京阪園芸から発売されている 和薔薇 と再会してしまい

つい 注文依頼、、、

バロン・ジロード・ラン  かおりかざり  を 新に向かえた春 

ガリカローズのバロン(画像下)は 忠告通り 既に冬からうどんこ病が始まり これから格闘の日々が待っています

いろいろと

どうなることやら の毎日ですが いろいろのひとつの糸口が見つかり

ちょっとだけ こころが軽くなりました

彼岸の入 季節だけが 春 ですね。

芽 吹の画像

芽 吹の画像

芽 吹の画像

旬 菜

節句も過ぎ

ひと雨ごとに 階段を上がるようにやってくる春です

菜の花の青味もお手頃な路地ものが出回り 

先日はアオヤギと菜の花を ぬた で向付にして食卓に出すと

  ぬた って 何?

と 言うが早いか 息子はスマホ検索開始。。汗

春は苦味からと言いますが かつては避けていたこの苦味を今は好んで食すようになり

 ぬた 好きも 大人の味を知った嗜好の変化でありましょうか?

変化といえば 2月半ば

姉の好きなピアニスト 小山実稚恵さんのリサイタルが近くのホールで開かれたため

昨秋にチケット予約し 2人で楽しみに伺いました

父が病床の半年は 姉はコンサートに行くのも控え

やむなく友人に譲った演奏会チケットの話は 何度も何度も聞かされましたが 

ストレスを溜めて病人と応対するくらいなら 行ったほうが良かったのではないか、、? 

実際 父の死の二日前にサロンコンサートに行ってしまったわたしは思うのです

いろいろな考え方があり 姉とは立場も違い 違う時間を生きてしまった感は否めませんが 

長女というのは 次女のわたしには分からない重い荷を背負っているのかもしれません

 

さて 前回 小山さんのリサイタルに伺ったのは 三年前

精力的に活動される同世代のピアニストというだけでも 素人のわたしには刺激的です

今回は30周年記念のひとつ シューベルト 即興曲 142-2 90-3 90-4 142-3 と バッハ/ブゾーニ シャコンヌ が愉しみでした

シューベルト即興曲 142-2 D935 90-3 D899 90-4 D899 142-3 D935

J.Sバッハ/ブゾーニ シャコンヌ

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リスト 愛の夢 第3番    巡礼の年 第3年より「エステ荘の噴水」

ドビュッシー 喜びの島

ショパン ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21より 第2楽章ラルゲット(ピアノソロ版)

ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネース作品22

アンコール

ショパン マズルカ作品67-4

ショパン 英雄ポロネーズ

  

いつも たおやか なイメージの小山さんは

相変わらずの柔和な笑顔で楚々と登場し  意に反して力強い演奏をされる方なのですが

はじめのシューベルト即興曲Youtubeブレンデル風に弾かれると思いきや

静かに繊細に 息を凝らすようにはじまり 歌うような旋律部分は 肩を揺らして聞き入る方が複数いらっしゃる

ついつい ツラれてしまいました

前半の山 彼女の本領発揮である シャコンヌ は ドラマティックで素晴らしい演奏でした

音の振動がこころに響いて 終了後 ついCD購入の列に並びましたが

この日の演奏は 録音CDとはまた違ったもので やはりこの日の演奏はこの日のもの

3年前に聴いたショパンラフマニノフ中心のプログラムでは 自分の思い描いた抑揚と違う演奏が少々あって

むぅ~こうした演奏もあるのだと、、たぶん こちらの理解力の不足でしょうが引っかかりがありました

同じ演奏家でも 長年のうちには随分と変化したり 実験的なテンポがあったり

またライヴは 一期一会の舞台であるのだから 折々の手法もあるのかもしれず 

今回の内容は シャコンヌの頂上にむけて組み上げられた 素晴らしい時間をいただいたという感想です

ファンサイトを見ると コアなファンの方々が詳細にレポートされていて感心します

みなさんそれぞれに魅了された楽曲が違うので また面白いものですね

今年は30周年記念の年で スケジュールを見るとご多忙で驚きますが

また機会あらば演奏会に足を運びたいです。

画像はWebより転載

旬 菜の画像

旬 菜の画像

旬 菜の画像

祥 瑞

おおつごもりに購入した枝もの 

蠟梅 は さすがにドライに立ち枯れ

万両 は 水替えしている鶴首瓶から いまだ生き生きと 赤い実と緑の葉が色を変えず

枝柳からは にこげなる新緑の若芽が吹き出しました

明日は立春です

秋の終わりに変調した胃の具合が 2ケ月を過ぎてようやく戻り

揚げ物やコッテリ食は まだ食が進みませんが 

重たい琺瑯鍋2つが毎日フル稼働で 回復を助けてくれました

師走の始め 早々の父の一周忌法要を済ませ

暮れには 10年タームで開かれている中学時代のクラス会に出席

回を重ねる度に 減少傾向の出席者数ではありますが

半数近い人数が集まり 今だから言える話 に盛り上がり

マンモス公立中の3年時には 映画『台風クラブ』 のような一夜も記憶にあって

今では在り得ない変人教師の想い出話など

ご健在の85歳の老先生を交え 愉しいひと時を過ごしました

男性出席者の7割は 親から相続した家屋敷に住む地元民で

公務員や個人事業者が多く 民間企業の被雇用者は少数派

その少数派のひとり(独身東京在)は メーカーを早期退職後 中国系企業に再就職したとのこと 

海外出張で多忙な日々を 愚痴交じりにご披露しておりました

子どもの巣立ち・独立 親の介護・見送り 自分や配偶者の健康 など

女性陣は家庭の話題も尽きませんでしたが

40代半ばで配偶者を見送った寡婦Eちゃんが 「色々ありましたが 今が一番しあわせです」 と挨拶したのは驚きでした

今回は 中3時の あの7組から 4月の市議選に立候補者が2人も出馬するという

そんなこんながきっかけの集まりではありましたが

全員が 地元に住民票があるわけではなく 

一人は企業組合推薦の4期目を向かえるベテランですから 風向きは初出馬の商工会推薦のS君応援に寄り

みな一様に忌憚なく 言いたい事を言い合う質疑応答もあって 中学時代のHRのようで笑えました

中年の坂も下り気味のお腹の出たおぢさん達は

これまでの経験の賜物なのか? 揃って 挨拶や人前での話が上手くなり

抑揚や間合い 起承転結 序破急 と 落語家さんにも引けをとらず とは言い過ぎか?

それぞれの 引き込まれる語り口調に 過ぎた時間の営み を感じました

年齢的に 生活の変化とともに 地域活動やボランティアに参加の話題も多く

市議への立候補の2人も そうした活動の延長上に居るのかもしれません、、

2人とも当選するといいなぁ~。

祥 瑞の画像

祥 瑞の画像

祥 瑞の画像

内 視

この秋冬は 円安が進み経済もいろいろ問題ですが

野菜がお手頃価格なのは消費者には大助かりです

早い冬がやってきたおかげで

わが家では10月末から煮込み料理が増え

ルクの22㎝は 毎日出番のフル稼働 

なかなか重いので 棚からの出し入れやお手入れは大変ですが

この重みのおかげで熱効率もたいへんに良く 煮物は驚く時短

肩の具合も良くなってきたので もう一つ 替えが欲しいと

STAUBバジルグリーン22㎝をポチリ 

届いてみれば おや 同じ22㎝なのに バジルはルクにすっぽり入る小ぶり仕様

トップ幅は同じでも ボトム幅がSTAUBはかなり小さい

つまり容量がルクより少ないのです

他は 内側色が黒いので お醤油などの調味料を 勘でする場合 スリルと危険を伴います(笑

その昔であれば この辺りの比較調査は 雑誌「暮らしの手帖」がやってくれましたが

今は全く無くなって ちょっとググると web比較サイトでは以下のよう 

 ストウブは無水調理と薫製ができる (ルクルーゼはできない)

 ストウブは焦げ付きにくい

 ストウブは外側の塗装が少し傷つき易い(カケる)

 白米を炊く時は、ルクルーゼはふっくら、ストウブは固めの印象(同じ水の量で)

 ストウブはパエリア向き

 肉や魚を使う場合はストウブ 野菜の煮物やスープはルクルーゼ

 ストウブは取っ手が熱くなるため、素手で持つ事ができない

 使いやすさ、手入れのしやすさは ルクルーゼ

 料理の味を追求するならばストウブ

なるほど  2つを上手く使い分ければいいようです

クリスマス・年末に向けていろいろ試したいと思います

、、、この重たい煮物鍋の替えを購入したのも 

実のところ 10月の終わり頃から長らく胃の調子が悪く

3週間後に取れた予約で鼻から内視鏡検査をすると 

逆流性食道炎 胃炎痕 良性ポリープ が見つかり

頓服薬処方の間 柔らかく煮込んだ野菜・肉・スープ類を食していたからもありました

この歳になるまでバリウムも飲んだことの無い人間でしたので 

検査はドキドキ カチカチ 管が咽喉を通るあたりで嘔吐感が数回あり 

優しい看護師さんがヒーリング音楽を流し 背中を撫でてくださったおかげでそれ以降は難なく終了

母や姉は 実家のホームドクターのところで何度かこの鼻から…をやっており

簡単かんたん 全く嘔吐感無く 楽にスルスル~ あっという間に終了 と聞いてましたので

わたしはちょっと違いましたから ドクターの技術差か?個人差はあるのでしょうね

技術が進めば カプセル型微小カメラを飲んで画像診断する時代が近い将来 来るのかも?

何事も 簡易に 体に負担の少ない検査であればよいものです。

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ルクルーゼのヘビーユーザー眉毛(姉)さんの日記を受け

手始めに調理してみた ストウブ・ピコココット22㎝ の使用感を追記します

里芋煮付け胡麻味噌味 鍋1/3ほどの分量 弱火で吹きこぼれ無くふわとろの出来上がり

大根・鳥そぼろ含め煮 大根に厚み(1.5㎝)があった為か?ルク利用時よりも歯ごたえあるシッカリした素材感の出来に

できれば、もっとトロトロに煮付けたかった

も少し時間をかければできる可能性あり

 ルクルーゼに比べ 水分蒸発量が多い感あり

 内側が黒い(ザラザラ鉄鍋風)ので 煮汁の焦げ付き部分は 手入れが一目では分かりにくい

 重量はあってもルクルーゼよりコンパクト感あり(ボトムが小さいから)

現在のわたしの体調には、ルクルーゼ利用の煮込み調理のほうが都合よく

胃の回復に合わせ ストウブ鍋の特質が活かせる調理にチャレンジしたいです

眉毛(姉)さん ご教授ありがとうございました。

内 視の画像

溜 塗

柿色のジョウビタキが ヒンヒン♪ と高らかに

木枯らしが木々を揺らせば  裸樹も増え 

錦繍の落ち葉も もう終わりです

今年も 残り少なくなりました

度々の帰省では いまだ父所縁のお客さまとの応対があり

不作法ながら 有り合わせの茶器でお煎茶を出しつつ

そういえば 父存命中の昨秋に こんなものは要らない と 木箱入りの宝瓶湯冷ましなど

どしどし不燃ごみに出し ギッチリ詰まった食器棚を使い易く片付けたのでしたが

あれはまだ少し 用途がありましたことよ(汗)

夏のはじめ

かつては 新宿ルイードでマイクを握っていたという水前寺清子似のNさんが病に倒れ

自治会若手(と言っても60代前半)として活躍していた彼女の不在は大きく 

長年続いた夏祭りは中止 会の存続すらも危ぶまれる事態が囁かれ

せめて 配布物の投函だけでもお手伝いしようと ちょいと集まりに出席すると

すぐさま 80代のご意見番ご婦人役員宅にお茶に招かれ 尽きぬ四方山話となりました

ご婦人は おすそ分けの遣り取りをしていたご近所Kさんですが

ありがちな宗教・政治絡みの勧誘を危惧し やんわり最初に予防線を張った心配は無用で

会計報告書の疑問点や会員数の推移について 率直に意見をぶつけてみると

「 気が付かなかった貴重な意見、、さっそく役員会に挙げてみましょう、、」 と 好意的

もうおひと方の 84歳Aさんは 平塚らいてふ女子大卒で定年まで翻訳の仕事をしていたキャリアウーマン

政治・経済・社会に精通 こちらが驚くラジカルな意見を忌憚なく発言し たいへん面白い方です

戦中戦後の激動期を 首都TOKYO で 仕事・子育・舅姑の面倒を看 家計を支えた世代というのは

同世代の職業婦人であっても 田舎の母とは生活に対する意識が雲泥の差であります

先日は 近隣で逝かれた孤独死の知人についての話で

子どもが近くに居ても居なくても 独り暮らしをしている以上は 心構えはある 云々

癌手術を2度経験し 現在は自由気儘な独居生活をしつつ いざという時の準備を 笑いを交え明るく話してくれました 

Kさん宅に伺い 何より楽しいのは 趣味の好い調度や茶器でいただくお茶の時間

仕舞い込んであった頂き物のうつわを普段使いにしているという事でしたが

前々から欲しいと思っていた溜塗りの素敵なお茶托が出てきた時には なぜに好みが合致する? と 感激♪

ゆっくり豆を挽く珈琲 茶碗 汲出 菓子鉢 菓子皿 茶托 竹籠花入

華美ではない 落ち着いた控えめな品々の 少し前の時代の古風な良きものに出逢え 

物欲が刺激され 自分にはさほど用途も無いのに かねてよりの茶托コレクションに拍車がかかってしまいました、

百貨店に行き 物を確かめ ネット検索をかけてみると

手の込んだ漆・籃胎・錫・彫の細工物がぞろぞろ出てくるのはオークションで

これは何方か見知らぬ人の遺品に違いないのでしょうが 

時を経た好みを受け継ぎ 職人さんたちの熟練の細やかな技を愛でつつ

Aさんの云う様 母は今 人生で初めての自由な独り暮らしの時間を愉しんでいるのかもしれず

元気なうちは それを上手くサポートするのがより良い方策

、、、なるほど 年長者のお話を伺うと 納得ゆくものがありました。

溜 塗の画像

天 唇

聞こえざるもの聴きたければ

      虚空ゆく風のながれに耳すすぐかな   村木道彦  『 天 唇 』  より

都内の木々もしだいに色づいて晩秋の様相になりました

先月の終わり インフルエンザの予防接種に お馴染みの神田駿河台への道すがら

例年 この時期は 神田神保町古本祭りと重なるので

昔馴染みの古本屋に迂闊に引っかかってしまうと 診療時間外の失態となる 

まず 露店棚と店舗内を流し見  帰りにゆっくりと品定め と目論みました

今年の注射は 年若い研修医のような男性が 左肘すぐ上に刺し

いつになく痛いもので 当日から腫れ上がり 落ち着くまで6日ほどかかりました

これは自分の体質のせいなのか?医師の腕が悪いのか?運が悪かったのか?

まま なべて世は 運のせいにすれば およその事が片付きますから 何かのせいにしたほうが気持ちの決着が着き易い

今回は 不運 ということにしておきましょう:笑

さて 帰り道 

一年ぶりの古本祭りの人混みをかき分けかき分け 目星を着けたT村書店に

露店ワゴンを見ると 手持ちの古い歌集が数冊 丁寧にグラシン紙に包まれ番頭さん寄りの場所に並んでいる

昔 よく見かけたここで修業をしている若い丁稚どん達は姿が見えず 中年の番頭さんらしき人が露店を仕切り

「 最近 うちの旦那の値付けが読みにくくなってねぇ~ お客さんにも不評だし わたしも見にくくて、、」

この言葉をもう少し 注意深く聴いておけばその後の重なる不運も回避できたかもしれません:笑

店内東向き中央棚は昔から変わらない近現代詩歌豪華本稀覯本私家本などが並ぶ場所

下方隅 をを~っ! ここで遇ったが30年目 『 天唇 』 がひっそりと佇んで居たのです

その横には 濱田到   鳥肌と軽い眩暈で上気したのは確かです

恐る恐る値札を見れば 上代 ¥5,000- 私的に決めているお値段以下 これは出逢うべくして出逢ったと

あまりよく確かめもせず あの有名な親父さんの居座る奥のレジに持って行きました

「 はい 今日は祭り一割引きで 〇万〇千円 」

「 えっ??? す、すみません 値札を読み間違えました、、、」

すると 間髪を入れず始まりましたよ ちっとも変わらないこの人の悪態が:汗

「 何?ゼロを一つ見間違えた? ふざけんじゃないよ!

  人を馬鹿にするのもいい加減にしろ! ここを何処だと思ってるんだ!(強い口調 ぷりぷり)

  (少し落ち着いて)…そんな値付けなら掘り出しモンですよ 場末の古本屋じゃあるまいし… 云々 」

も一度 ごめんなさい と丁寧に謝ったつもりですが

横に侍る客の話相手と(たいてい誰かと話している)  素人客はだから困る  というような世間話を声高に続けておりました

わたしも 久しぶりに他人に面と向かって叱られ罵られて頭にきて すぐ退散するのも悔しいので(素人客発言に頭にキタ)

その後店内を20分ばかり眺め廻し 他に何かいい本でもあれば と探しましたが

欲しいものが見当たらず やむなく店を出ました

学生時代には 週に3回以上 よくこの店を覗きました

世はバブルに向かう頃 探していた本も多々あり 探しながら他の興味深い本に出逢う愉しさもあり

またここで購入した本の中には 不要の際にはお戻し下さい と丁稚さんに言われたものもあります

旧友のNNちゃんは この有名な親父さんと店内で口喧嘩になり出入り禁止になったそう:笑

感情を害されたりプライドを傷つけられた人は溝が大きくなってしまう事もあるようですネ

帰宅して久しぶりに日本の古本屋サイトに検索をかければ同じ本がS神井書林で倍以上の値付けです

T村の和書部は日本の古本屋サイトには加盟していない様子(洋書部2Fは通販サイトが出来ている)

T村の値付けは良心的である と近代詩の研究家の何人もからよく耳にしますので

わたしが素人であったのは間違いないのか? 学生時代の感覚で「 破格もあるかも 」 とモノを見てしまいました

悪い店ではないのですが 直情型と思われる性格の方は 店主とのやりとりに要注意デス:笑

振り返れば わが書棚は 購入よりも整理が必要で

ここで購入した不要本と交換してくれないものか とふと思いました。

画像はPinterestより拝借

天 唇の画像

屈 託

盆が終わって 彼岸が過ぎたら もう神無月

   屈託 の多い人生でした  

とは 誰の科白だったか

彼岸中日で終了した F・バロットン(Félix Vallotton) の展覧会

6月夏至の頃に始まり 角田光代さん出演のTV放映も気に留めて鑑賞

昨年の欧州展覧会の動員数がなかなかだったという報をうけ

ピンタレストをサーチすれば やはりぞろぞろ出てくる画像の山

  人の生は 完了しないと評価できない とは 是然り

このバロットンさんも 屈託多き若年期を生き過ぎて結婚

その生活は婿養子状態の後夫ときてますから 屈託も増幅され さぞや苦虫を噛み潰す日々だったことでしょう、、、

残された絵 に シッカリと表出した 屈託 を苦笑いしながら鑑賞しつつ

確かに 角田光代さんの言うよう 二人の禿頭爺の 狡猾そうな後ろ向き姿 

その後頭部のテカリ艶の綿密な表現が いやはや何とも 屈託していて ツボな絵描きさんなわけです

ま しかし 人物表現の背景色や構図  オーギュスト・ドミニク・アングルを想わせる裸体群像など

目を惹くものが多々あって 殊に 澁龍センセイが生前紹介の 版画作品のロゴに既視を感じれば 

やはりそれもその筈 昭和46年奥付 旺文社文庫:ルナール 『 にんじん 』 の挿画がこのバロットンでありました

『 にんじん 』 このお話自体も ナニなお話でありましたが こんなところで出逢うとはアラ不思議

バロットンさんは 第一次世界大戦の従軍画家として戦地を廻り

作風も変化しながら 老いても中間色の色使いは絶妙なものがありました

    *  *  *  *  *  *

八月 父の新盆にみえた方は 計130人近く

一時は玄関先に行列が出来て 下足番にも てんやわんや

たくさんの方々が 其々に所縁の話をしてくださり

その話を総合すれば 在職中とその後の三十数年では 人格にかなりの変化があった事が分かりました

つまり わたしの知るところの無い 父の姿が浮かびあがってきたわけです

自治会のボランティア活動に家庭を顧みず精を出したおかげで 尾ひれ着きの過大評価を頂き

いつの間にか長老扱いされ 人格者風情を身につけざるを得なくなり

瞬間湯沸かし器の生来の性癖を堪え 寛容と忍耐を身に着けたようす

悪く謂われるよりは良いことですが

人の生は 転機や偶然もあって 終わりまでわからない ということでしょうか

…お客様の中には 新内三味線のお師匠さんもいらっしゃり

たぶん お歳は70代半ば? その立居振舞 所作のうつくしさには魅了されました

たおやかな話ぶりと間合い 足を悪くされたとかで洋装でしたが お手本にしたい年齢の重ね方で

まだまだ わたしも修行が足りません:笑。

屈 託の画像