清 漣
灯かげうすれ はや誰のものでもなき空間へ
瞳孔(ひとみ)はひらき ひろがりゆけり
濱 田 到
まだ肌寒い今年の春
小山実稚恵さんのリサイタルに赴いた折 珍しく姉から早々に誘われた展覧会
「 今年はドビュッシー生誕150年で、コンサートや展覧会企画もたくさんあるから
ひとまず ブリジストンの展覧会には一緒に行こうね 」
およそ音楽会や展覧会のほとんどは独りで行く私ですが
まれに姉と誘い合う音楽会も、半分はドタキャンが常なので
私が気の無い返事をしたのがいけなかったか?
いまだ連絡が無いまま会期はあと7日となりました
実のところ、ドビュッシーに関しては、有名どころの楽曲を右から左に聴き流す程度で
あまり知らずに来たこれまでの時間……
今年は良い機会で、いづみこさんの本や、何か纏まった本でも読んでみたいと思いつつ
ひとまず音楽を聴くことが先決とも想われ展覧会を躊躇
ほんとのところは、何かで読んだ、あまりに人間らしい彼の実人生の女性遍歴の数数の中で
ああしたうつくしくもまたうつろうが如き心象の音楽が生まれ落ちた不思議を想い
多少の嫌悪感も先にたち、音だけを切り取り鑑賞したいとも思ったわけです
20代の頃
友人宅のレコードで聴き、その東洋的異教の旋律が耳についた楽曲 『 聖セバスチャンの殉教 』 は
後に知ったガブリエーレ・ダヌンツィオ原作による音楽劇で
三島の『仮面の告白』にも出てくる聖人だけあって、男色臭とオリエントの異馨と血の匂いが感じられる忘れ難い楽曲、、、、
http://www.youtube.com/watch?...
この旋律に G・モローの絵画がぴったりと寄り添うと想えば
まったく おなじ想いの方がいらしたようで驚きました
ドビュッシー鑑賞に 何か良い副読本があればご教示ください。
画像上下は ギュスターヴ・モロー作品より