諧 謔
時間・曜日のカンカクを忘失した2週間は瞬く間でもあった、、、、
入院初日
いきなり人間喜劇のドタバタ劇中に放り込まれる泣き笑い
その部屋は、私以外の人みなが抗癌剤化学療法施術の為にやってきた部屋だった。
「タキソール(抗癌剤)は、3回目が勝負ね(笑。」
「あら、あなた まだ残ってるじゃないの(髪の毛)。今も可愛いわよ(笑。」
「抜け始めはウイッグが滑るから、ストッキングをカチューシャのようにして滑り止めにするといいわよ。」
「3ヶ月もすれば、またちゃんとしたのが生えてくるわよ、、、。」
抗癌剤治療の方達は、お馴染みさんもたくさんいらっしゃるようで
病室は和気あいあいと
ブラックユーモアを交えた笑いが絶えない、、、
リンパ節転移したという知的なAさんの達観した微笑み
私と同い年 Sさんのお子様とご家族を思いやる優しさ
再発されて放射線治療に来た、底抜けに明るい60歳Hさんの高らかな笑い声
副作用の嘔吐に、青い顔をしながらも
余裕があれば周囲を気遣い、重篤なお年寄りに声かけまでしたりする
彼女の担当ドクターやナースのものまねに
私は傷口を抑えて笑い転げながら
涙がこみあげてくるのに終始狼狽した、、、
抱えきれない悲しみを通り越し
残された生に真摯に向き合おうとする
すてきな先達と出会うことができた喜び
一説によれば
私が入院した病棟の裏手にあるN病棟は、
治療法の無くなった終末医療の病棟だと聞いた、、、。
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11月14日 多増筋腫により子宮全摘出 総重量1000g
右腎臓・動脈への癒着ありで 術時 3時間 出血700cc 輸血無
当初疑われていた右卵巣脳腫は異常なし。癌病理検査 異常なし。