もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

揺 籃

松が開け 寒に入り

寒さはこれからが本番というのに

光の春のショウウィンドウは、パステル色となりました

ちまたはバーゲンシーズン

欲しいものは多々あれど人混みに出れば食傷なる常々

物欲を制する大雪でもネットショッピングなら容易ですから困りもの

さて画像上 は 

ラファエロ・サンツィオ(1483-1520)Raffaello Sanzio 大公の聖母1504 ピッティ美術館

http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/...

国立西洋美術館 今年目玉の大きな展覧会に初来日という名画です

漆黒の闇に浮かび上がる伏せられたまなざしの聖母は

あきらかに師匠ペルジーノの描く聖母子の面影が見受けられるものの

ラファエロの才能はそこにはとどまらず ダヴィンチ、ミケランジェロの天才たちから影響された技法を活かし、それらを統合しつつ若くして独自のものに吸収転化しているところでしょう

彼の活動は3期に分けられ、その最盛期を彩る一品であることには違いありません

http://ja.wikipedia.org/wiki/...

http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/...

↑この方のブログを読むと、

当初の背景は黒ではなくX線解析に風景のようなものが見えるという記事があります

所有者個人の祈りの対象物として選ばれた絵画は

世俗的な市井の日常を排し、聖性を高める効果として所有者の意向で塗り替えられたのでしょうか?

この時期のフィレンツェの宗教事情や、ローマバチカンの権力奪還のための奮闘ぶり

メディチ家の興亡ではミケランジェロフィレンツェを出たり入ったりしているようすで

偶像崇拝を禁じることになる宗教改革も、まもなく起こります

ラファエロは、37歳という若さで亡くなりますが、才能だけでない運と政治力も想像することができ

なかなか面白い個性のルネサンス期の天才ですね

日本では、齊藤道三の生きた時代に描かれたこの絵

展覧会までにはまだ時間もありますから

多角的に予習をすると愉しい時間になりそうです。

画像中:ベルヴェデーレの聖母(牧場の聖母) 1506年 ウィーン美術史美術館

画像下:美しき女庭師(聖母子と幼児聖ヨハネ) 1507年 ルーヴル美術館

揺 籃の画像

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