もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

大 鴉

  黑檀色のこの禽が 世に嚴めしく きはきはしき行儀を見れば

  こころ哀しき空想も 微笑に解けて儂糺すらく

  「 鳥幘は削がれてあれど 夜の領の汀杳かに彷徨し

    こころ怯儒て面高なる 老來の大鴉にはよもあらじ。 

    黄泉 閻羅の王の禁領にして 首長の本名を何とか稱ぶ? 」

  鴉 いらえぬ 「 またとなけめ 」       

                       日夏耿之介譯  ポー 「大鴉」 より 抜粋 

Then this ebony bird beguiling my sad fancy into smiling,

By the grave and stern decorum of the countenance it wore,

`Though thy crest be shorn and shaven, thou,’ I said, `art sure no craven.

Ghastly grim and ancient raven wandering from the nightly shore -

Tell me what thy lordly name is on(in) the Night’s Plutonian shore!’

Quoth the raven, `Nevermore.’                             

                            The Raven  (8)より  Edgar Allan Poe

夏椿も散り 

いつの間にか、いっせいに咲いたネムノキの薄紅の花が高木に燈り

風のまにまに 梔子の芳香 と ギボウシの花むらがゆれ入る梅雨の終わり

冒頭は、ねばもあNevermore ねばもあNevermore 日夏先生譯のポー「大鴉」ですが

原文よりもず~っと、こむずかしくて大漢和が机上に無いと、さっぱり!と思ったのは学生時代

今はサックリ検索し、右クリックしなくともドラッグクリックだけで検索できる時代です

さてさて その ねばもあ鴉 と言えば

朝 うんがぁ うんがぁ と、南の欅にぬばたま烏が甘え声で呼び交わす声を聞けば

やはり巣立ったばかりの子とおぼしきも、大きさは親と同じだからビックリで

この時期は、抱卵、子育てとあって、親は何かとイリテイトしているらしく

かつて吾が親子も、この時期に公園で遊んでいる間に、荷物をいたずらされたり

浜辺で ドバト&カラスギャングに二重円陣を組んで囲まれ

逃げ出すと、翼でバックアタックされる、、、片瀬海岸のおぞましい恐怖体験もよみがえるのです

そして日頃のいやな予感は的中

仕事帰りの自転車スーパー買い廻り荷台カゴが狙われ

ほんの10分の買い物の隙、荷台に入れた袋のゆるく十文字に結んだ持ち手は解かれて

中のカット西瓜が1/3ほど食べられてしまいました、、、(泣)

「やられましたね」と、近くに居た方の声も虚し

この禍烏の脳味噌は、研究者によれば猫の量ほどあるらしく

数羽で、ごみネットを持ち上げるというチームプレーもしているのだとか

人間の顔も識別してるといいますから、私など、完全にマークされているやもしれず

都会のカラスは侮れない!

肝に命じ 次ぎが無きことを祈るのみ

みなさまもご用心。

画像は、アンゼルム・キーファー作品転載

大 鴉の画像