もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

杜 鵑

休日の早朝  

浅い眠りの中で鶯のさえずりが間遠に聞こえたのは

旅に出ようとする留鳥だったか

日が昇り 夏の日差しの装いが緑陰を深くする頃

今度は再び はっきりと呼び交わすように啼いている

ゴールデンウィークから次々に開花をはじめた五月の花たちが

今年はまたいつもとは少し違う趣きで繚乱の刻を迎えた

用土の入れ替えが2月過ぎと遅れたイングリッシュローズ

昨年より蕾の数が少なく黄味も淡い橙味を帯びて

一番花の花摘みは全て終了

テッセン類は伸長著しく、紫、白万重(画像中)ともに1mを超える仕立てに蔓が上がり

今は、ミニ薔薇もほとんど終り ピエール・ド・ロンサール(画像上下)が真っ盛り

膨らむ薄緑の蕾の中央からほのかな紅が差し

ひらくとともに色味を増して淡い桃色のグラデーションをつくる

外輪の緑白の花弁からの透過光が 

包まれる球体の脳髄の如き複雑な花弁を照らし出す妙味は

果たして作出者の狙いどおりか、、、

なんとも不可思議で毎回見ていても見飽きない

            *   *   *

地震後の原発事故以来

わがやの屋外ベランダのささやかな緑にもいくばくかの放射性物質が降り注ぎ

なんらかの影響は受けているにちがいない

今日のニュースより、1時間あたりの放射線量が地震前の数値と2段組で提示されるようになった

(以下サイトとニュース画面は別もの)

http://www3.nhk.or.jp/news/...

新宿3/15の数値は大きく跳ね上がり、同日の原発周辺地域の数値には驚かされる

ベランダの薔薇たちが浴びた放射線量は  数値 × 24(時間) × 日数 

微生物レヴェルではどんな変化が起きているのか、、

なんとも杞憂であって欲しいと切に願う

            *   *   *

追 記

1999年東海村での臨界事故の折に知った高木仁三郎氏の著作にはこんな絵本もありました。

絵は片山健さん 福音館書店「かがくのとも」シリーズです。

当時、息子は小学校低学年で、ボランティアの本読み母として私は夏休み前に学校でこの本を読みました。

草いきれのする夏の池にやってきた男の子、、

食物連鎖を思わせながら、それぞれの生きものすべてが主人公であることを、すてきな絵とほんのすこしの言葉で語りかけていました。

片山健さんの絵のすみずみには、隠し絵のように生きものがひそんでいます。

生きもの好きなちいさなおこさまと一緒に、考えながら楽しむ絵本の時間をどうぞ。

杜 鵑の画像

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