もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

灰 白

ひと月ほど前に観たハンマースホイ展

  繰り返し描かれた室内 ストランゲーゼ30番地

  クレスチャンスボー宮殿

差し控えられたように物語る画面から溢れる寡黙な語りは

扉の奥に射す光の内奥の部屋へ

室内の床に落ちた窓型の陽だまりへ

  あるいは骨白色の  

北欧の長い冬を想わせる灰白の諧調に

雪もよいの ひと気のない宮殿の街に しばし立ち尽くす時間

 観るものの視線を差し戻し 

 視る者を なにものか の内奥へ いざなう

    既視覚 

魅入られる画に必ずといっていいほど感じる感覚が 再びやってくる

ローデンバッハ『死都ブリュージュ』を描いた F・クノップフの暗鬱な街が

濁る掘割の水に重なって想えたのかもしれない、、、

しかし 薔薇十字会に属していたクノップフの暗澹たる想いの丈はここにはなく

ハンマースホイの妻は、後ろ向きの黒いドレスで

当時既にアンティークだというロイヤルコペンハーゲンの大きなパンチボウルの横に

もの言わず 穏やかに佇んでいる

言葉にならないものと 言葉にせねばならないものと

せめぎ合うこころもちを抱えながら 

先週はTV新日曜美術館の放映を観た。。。

画像を クレスチャンスボー宮殿 に変えました(2008.12.11)

フェルナン・クノップフ 1858-1921

V・ハンマースホイ 1864-1916

灰 白の画像