もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

『イメージの裏側』フェデリコ・ゼーリ

大橋喜之訳  八坂書房

絵画に託された寓意・隠された真意を探る

ゼーリ教授のイタリア美術解読の講演補綴本。

訳者は羅馬居住十数年が過ぎた奇人とあらば、その邦語感覚も美しく凍結してきたと謂えよう。

イタリア中世絵画・修復等ご興味ある御諸兄姉方 

まずは御好読あれ。

「作品の根本的な意味の多くはわれわれの手を擦りぬけてゆく。

文化的、社会的、寓意的、象徴的な積み重ねが決定的に失われる。

こうして作品そのものに基づかない解釈、

それがそうであったろうと

われわれが欲する解釈からなる

偽りの注釈で間に合わせる。

人と人の関係においても

合意に至る唯一の方法とは、

われわれの内に既に存在するものを

他なるものの内に見いだすことでしかない。」

画像 ハンス・ホルバイン 大使たち

下方の髑髏は左斜め下から覗く構造画

メメント・モリを告げる

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の画像