『イメージの裏側』フェデリコ・ゼーリ
大橋喜之訳 八坂書房
絵画に託された寓意・隠された真意を探る
ゼーリ教授のイタリア美術解読の講演補綴本。
訳者は羅馬居住十数年が過ぎた奇人とあらば、その邦語感覚も美しく凍結してきたと謂えよう。
イタリア中世絵画・修復等ご興味ある御諸兄姉方
まずは御好読あれ。
「作品の根本的な意味の多くはわれわれの手を擦りぬけてゆく。
文化的、社会的、寓意的、象徴的な積み重ねが決定的に失われる。
こうして作品そのものに基づかない解釈、
それがそうであったろうと
われわれが欲する解釈からなる
偽りの注釈で間に合わせる。
人と人の関係においても
合意に至る唯一の方法とは、
われわれの内に既に存在するものを
他なるものの内に見いだすことでしかない。」
画像 ハンス・ホルバイン 大使たち
下方の髑髏は左斜め下から覗く構造画
メメント・モリを告げる
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