慚 愧
暑中お見舞い申し上げます
先週末より公開が始まった 都内2ヶ所単館上映 塚本晋也監督 大岡昇平原作『 野 火 』
構想20年 金策に窮した塚本監督みずからの主演
F・コッポラ『 地獄の黙示録 』の画像・ Doors の THE END も鳴り出しているわたしの脳内ですが
若い頃と違って これは心身ともに健康な状態でないと
なかなか観るに辛い内容だろう
この夏の時間を長らく引き摺る内容になるだろう…と懸念しています
が
さまざまに あの時代の 慚 愧 という真摯な言葉が忘れられつつあるこの頃
原作とともに振り返る 良い機会になるや と
...疑うことを知らず 軍国教育を受けた可哀想な子どもたち
殊に 或る一定の年齢から上の 出征世代
この人たちこそ 敗戦後の価値の転換に大きく惑い
自己欺瞞 という暗雲に苛まれた人も限りなく居たはずで
その自分と どのように向き合いケリを着け 生き長らえることができたのか
秋山 駿 『 舗石の思想 』は
少し 遅れてきた少年ではあったけれど
生身の生きた大人として 焼け跡に立ち尽くした少年の歩行と思考の言葉があり
出立の記録でもありました。
画像 Flickr;Yoshihiro Ogawa 御射鹿池 Nagano, Japan