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もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

屈 託

日記

盆が終わって 彼岸が過ぎたら もう神無月

   屈託 の多い人生でした  

とは 誰の科白だったか

彼岸中日で終了した F・バロットン(Félix Vallotton) の展覧会

6月夏至の頃に始まり 角田光代さん出演のTV放映も気に留めて鑑賞

昨年の欧州展覧会の動員数がなかなかだったという報をうけ

ピンタレストをサーチすれば やはりぞろぞろ出てくる画像の山

  人の生は 完了しないと評価できない とは 是然り

このバロットンさんも 屈託多き若年期を生き過ぎて結婚

その生活は婿養子状態の後夫ときてますから 屈託も増幅され さぞや苦虫を噛み潰す日々だったことでしょう、、、

残された絵 に シッカリと表出した 屈託 を苦笑いしながら鑑賞しつつ

確かに 角田光代さんの言うよう 二人の禿頭爺の 狡猾そうな後ろ向き姿 

その後頭部のテカリ艶の綿密な表現が いやはや何とも 屈託していて ツボな絵描きさんなわけです

ま しかし 人物表現の背景色や構図  オーギュスト・ドミニク・アングルを想わせる裸体群像など

目を惹くものが多々あって 殊に 澁龍センセイが生前紹介の 版画作品のロゴに既視を感じれば 

やはりそれもその筈 昭和46年奥付 旺文社文庫:ルナール 『 にんじん 』 の挿画がこのバロットンでありました

『 にんじん 』 このお話自体も ナニなお話でありましたが こんなところで出逢うとはアラ不思議

バロットンさんは 第一次世界大戦の従軍画家として戦地を廻り

作風も変化しながら 老いても中間色の色使いは絶妙なものがありました

    *  *  *  *  *  *

八月 父の新盆にみえた方は 計130人近く

一時は玄関先に行列が出来て 下足番にも てんやわんや

たくさんの方々が 其々に所縁の話をしてくださり

その話を総合すれば 在職中とその後の三十数年では 人格にかなりの変化があった事が分かりました

つまり わたしの知るところの無い 父の姿が浮かびあがってきたわけです

自治会のボランティア活動に家庭を顧みず精を出したおかげで 尾ひれ着きの過大評価を頂き

いつの間にか長老扱いされ 人格者風情を身につけざるを得なくなり

瞬間湯沸かし器の生来の性癖を堪え 寛容と忍耐を身に着けたようす

悪く謂われるよりは良いことですが

人の生は 転機や偶然もあって 終わりまでわからない ということでしょうか

…お客様の中には 新内三味線のお師匠さんもいらっしゃり

たぶん お歳は70代半ば? その立居振舞 所作のうつくしさには魅了されました

たおやかな話ぶりと間合い 足を悪くされたとかで洋装でしたが お手本にしたい年齢の重ね方で

まだまだ わたしも修行が足りません:笑。

屈 託の画像