春 隣
春待ちの日々
行きたいと思っていた いいタイミングで招待券をいただき
既に店じまいしたパロル舎の絵本は
たのしい形と色づかいの妙に魅入り、記憶に残っておりました
今回の展示では、そのテンペラの原画の他にも
2002年からプラハで暮らしながら絵本制作を続けているという
ことに ご当地の民話を題材とした情感あふれる自然描写の作品は
森の木々の質感ある繊細さから
何年か前に
四季を通して低山トレッキング・ハイキングに魅せられた時間に引き戻されて
木によってさまざまに異なる落葉樹の樹形や、木肌、落葉の匂い 新芽の香り を思い起こさせ
ひとけのない しんと静まりかえった深い森に谺する
獣たちの呼び交わす声 鳥の甲高い警戒の声 なども想像させて
しばし、わくわくする伽の世界の異国の森にさまよい出ました
最近の作品の多くがチェコアニメを彷彿させる古風なかたち
色づかいも、冬の題材の中に温もりが感じられる懐かしさで
銅版画の絵本(画像中)は、愛らしい線描が活きて小品ながら纏まりある一品です
欲しかったのですが、ここでは販売されていず残念、、、
この冬は、当初の予報がくつがえる寒波の到来で戸惑い気味、、
ちょうど、ブックマークしているお二人も先日話題にしていたアルヴォ・ペルトの音楽が
出久根さんの描く深い森 と 春待ち冬の静かな思索の時間にはよく似合うような気がします
これも東欧繋がりというものか、、、。
お気に入りの作品
『マーシャと白い鳥』(偕成社) 2005年
『十二の月たち』(偕成社) 2008年
画像上 会場前に展示されていた雛壇飾りの型抜きクッキー
画像中 webより転載
画像下 手持ちのペルトは80年代CD出始めの頃のもの