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もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

護 符

アルブレヒト・デューラー版画・素描展

明日でおしまい@国立西洋美術館 1月16日まで

(画像上は油彩自画像で今回の展示にはありません)

間もなく閉会とあって平日なのに行列状態での観覧でした。

紙ヤケ防止策か? かなり照明を落とした展示内容は

視力低下気味の私にとって、おもいのほか眼玉が疲労困憊、、、

Nikonミクロンのグラスをお持ちの年配の方も居て、正解です。

天才A・デューラーの驚異的に微細な木版・銅板・素描の一堂展示

作品の過半105点は、オーストラリアのメルボルン国立ヴィクトリア美術館からの貸出で

通常の大展覧会では、多額の寄付が要求されるところ

今回の企画展は、10年前の学芸員さん同士の交流から始まった学術的展覧会であるため

寄付要求は一切なかったとのこと(美術館ニュース「ZEPHYROS №44」より)

素晴らしい企画展ですね。

私が初めてデューラー作品を意識したのは学生時代に見た図録の中の銅版画

当時は『黒い胆汁』と言われたあの『メランコリア』でしたが、かっぷくのいいおじさんのようなおばさんのような両性具有の考える天使坐像はとても不可思議で

五角形?プラトン立体やら魔方陣、砂時計&天秤 犬 と 象徴と解釈だけでも多種多様

宗教改革を控えた時期の科学と宗教やらの新しい時代の示唆など 

とにもかくにも謎多き図版解釈の典型として降臨したわけです。

今回販売の展覧会図録でも、西洋美術館蔵『メレンコリアⅠ』(←掲載文言ママ)が

図版解説の巻末を飾り作品の謎&デューラーの偉業と天才ぶりを披露しております。

展示は、テーマ別に「宗教」「肖像」「自然」と3つに分かれ

未完の自著 『絵画論』 の引用に裏打ちされて、説得力ある内容

中でも圧巻は、「神聖ローマ皇帝 マクシミリアンⅠ世の凱旋門」(1515~1517)

(図録 裏表紙袋に<マクシミリアンⅠ世の凱旋門>が一葉折畳み付録附)

198枚の版木を36~49枚の紙で刷り貼り合せた3m四方以上の見上げる大きな作品で

マクシミリアンⅠ世が友好関係にあった親族・諸侯に配布する為の 己とハプスブルグ家礼賛の内容ということ

古代ローマ皇帝の偉業を讃える強固な建造物と違い、印刷によって多産できる紙媒体に皇帝が注目しているところが興味深いところです。

皇帝企画の書籍は130点、関与の木版画は1000点を超えるとありますから

グーテンベルグに始まった印刷技術とデューラーなどの高い技術を持つ芸術家や学者を養護し

皇帝は権力の流布を図ったと思われ、ややオタク嗜好な人かな(笑。

図版解説を読んでいると、古代ギリシャ・ローマへの憧憬

プラトン主義からくる東方科学者の影響等を、交流の芸術家から吸収し

作品メランコリアに結実じてゆくような感慨を覚えました。

デューラー(1471~1528)の生きた時間

この頃、日本は織田信長(1534〜1582)が産まれる前の応仁の乱後の室町戦国時代

西洋同時代には、マキャベリレオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロラファエロ

ハンス・ホルバイン、コペルニクスエラスムス(←エラスムスの肖像展示は今回ありました)

以前に日記で触れた以下の2人も同時代人になるのですね。

ペルジーノ http://www.kanshin.com/diary/1164499

クラナッハ http://www.kanshin.com/diary/1035610

まさにドイツルネサンスの人です。

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●小企画展 「アウトサイダーズ」 ~2011年2月13日迄 

  国立西洋美術館 新館2階

  今回は見逃しましたが ジャック・カロ等の版画の展示もあるようなので

  機会をみつけて行きたいと思っています。

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