もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

枯 淡

枯 淡の画像

ちきちき ひんひん

モズ ジョウビタキ の高啼きが賑やかな季節

池には北から鴨の来客も

 

  秋 は うつわ

  ではないけれど

 

益子・笠間の雑誌で気になった方の展示会が折よくありました。西荻魯山で行なわれた額賀章夫さんの展示会に行ってきました。

 

手にとってしっくりくる心地や馴染む質感など、是非とも触れて感じたいと願ったものの、最終日のため気に入りの粉引、鉄釉、黄釉 しのぎは売れて無く、ちいさめの黄釉小皿が残るのみ。

店主の大嶌文彦さんの集めた品物にも魅入る物多く、客の若者と話す語気に圧倒されつつ、帰宅して調べるとなかなか面白い方のようです。

店では、李朝風徳利に目が行きましたが、相場を知らないので見送りました。

 

数日後の 或る日

開いていれば覗く井の頭の 素希商店 前に

 「商っています」 の立て札が、、

 

飾り窓に、三個の李朝風徳利がこちらを見ています。

 

枝ものや枯れ尾花を投げ入れるにはちょうどよい大きさで

この粉引なら、和洋室にも座りよく使えそうです、、

 

前回、この店で古風な脚付きお膳を逃したのが瑕で

ここでまた逃せば二度と会えぬ かもしれない

 

 

 「 古いものですか? 」

 「 江戸末期から明治頃の酒を入れた徳利ですね。

   昔の人は硝子壜が普及する前は、こんな器で何度も酒屋に買いにいったのでしょうね。

   時代劇に登場する貧乏徳利はご存知でしょう?

   麻縄を腰に巻いたようなもの、あれに比べれば、随分上品なものですよ。」

 「 綺麗なかたちですね、、気に入りました。」

 

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この店の主人は、30代半ばから40代前半とお見受けされ

明治頃の器の他、昭和の錆ブリキや硝子など

銘ありや桐箱入り骨董は少なめの店構えで、骨董素人の私などでも入り易い

修行時代の師匠さんは刀剣の専門家だそうですが

流行りの古物雑貨店よりは正当な、洒落た骨董店というところ

 

魯山で見たものより、はるかにかたちよいものであったため

躊躇逡巡もいたしました。

勇気をもってお尋ねし、雑談を交えながら交渉してみると

なんと 三割引ほどで一件落着 と なりました。

 

古民具に属する 名も無き人が作った古徳利

洋間の片隅に設えた空間に枝物でも飾りたいと想います。

 

 

◎2003年撮影の神保町李白の画像がありましたのでアップします。

http://shinjuku.cool.ne.jp/cafenasci/...

 

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