馥 郁
GWの雨の中
D・オースチンの薔薇
橙色の蕾が燭台の灯りの如くに頭をもたげ
ほころびはじめればその橙色はいづくにか霧消し
カスタードクリームのような半球の椀がそこかしこにぽわぽわと
咲き始めは ティー香
後に フルーツ香 と言われているこの花の香り
果たして香りの記憶とは余りにも個人的体験に拠るものゆえに
万人が万人 そう感じる保障はないでしょう、、、
薔薇の香りといえば やはり ダマスク
市販されているローズオイル・ローズウォーター等はほとんどがこれで、薔薇を手折った事のある方ならおわかりのとおり
その香りの中に、草いきれのような青草を感じる方も多いはず
いや その記憶も私だけか
しかし この薔薇は、ダマスク香とは明らかに違う
私の遠い記憶では、幼い頃に一緒によく遊んだ、おさげ髪の近所のSちゃんの汗をかくほどおおはしゃぎした時の匂い、、、けして不快感をもよおすものではなく そう言われればやや果実のような、そんな匂いが4・5歳の女の子から感じた覚えがありました。
柑橘系の香りを好む私がこの薔薇に惹かれたのも、この香りによる処大でした。
そういえば、一時期 ティー香のコロンが大流行でした。
グリーンティ系のブルガリ;プールオムを着けている女性が仕事場に居て
なかなかの頑張り屋さんで感じのよい人、、微香とその人柄から、香りにも好感を持ちましたが、
ある時、電車で居合わせたすぐ隣のおじさま(黒に赤ハイビスカス花柄シャツ・白スラックス・大きなバックル付きベルト・白エナメル靴の誰もが振り返るいでたち)から一瓶、頭から降りかけたような大変キツイ同様の香りが、、、一気にこの香りが苦手になりました。
イメエジに左右されやすい私の香りの嗜好の曖昧さ
ティー香もあてになりませんが
香りの形容 というものは 難しいものです。