面 差
今年も 3月半ば
幼稚園からの旧友:Nちゃん(彼女の旧姓より)こと、長谷川裕子さんが長年出品している『エコール・ド・シモン人形展』に伺った
毎年毎年の春のこの時期に、多くの個性的な人形たちに出逢うと
作者の方のお顔は知らず、見えなくとも
その作品に現われる色・形・表情・スタイルなどで
まるで作者の方と旧知のような錯覚に陥ることがある、、
凡その作品テーマは変わらずともディテイルの変化等に気づかされたり
ああこの方はたぶん昨年、一昨年のあの作品の方だろうと想い至ったり
今年はこういう方向へ赴いた、またこう変化した、と驚かされたり
随分雰囲気が変わっても、人形の表情の何処かに何年か前に観た印象深い面差しが潜んでいたりしてほくそ笑むことしばし
今年のシモンさんの人形は
とても たおやか で
はんなり と
おだやか な表情の少年少女たち
かつての、バタイユ『眼球譚』の挿画:金子國義の絵から飛び出してきたような、はすっぱな女の表情は微塵もない…ことに少女は、さまざまな事柄を許容するような包容力ある面差しで、穏やかな気持ちにさせられる、、、私はふとマリア像を想起した。
何年か前の東京都現代美術館での展覧会では、お若いころからの作品が時系列に観られ、2m以上もあった圧巻キリスト像のような大きな作品 あれからのプロセスを想うと、今年の少年少女像の表情が相対してより鮮明に印象付けられた。
立体のひとがた は 個人的な祈りのかたち でもあるのだろう
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ところで
東博で始まった 阿修羅展
いよいよ
八部衆像と体面できる、、、、楽しみだ。