もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

DEBORAH TURBEVILLE 過去を旅する女たち

『過去を旅する女たち』

デボラ・ターバヴィル写真集

1985年11月15日第一刷

PARCO出版局 

記憶より記録 というとおり

私の曖昧なうすぼんやりとした霧の中の画像を確認したく

廉価な価格に惹かれてこの写真集を古書購入してみました。

本書掲載写真の多くは1984年~1985年

PARCO秋・春キャンペーンポスターに使われた写真

確か流行通信や服飾雑誌の見開き広告に幾度となく登場し

駅や街頭広告では大判紙を2・3枚を合わせた大きなポスターが眼を惹いた憶えがありました。

廃墟・退廃・着衣裸体・庭園・身体部分・女の相貌・視線

螺旋・セピア・シルエット・バレエダンサー・婚姻・鏡

ルキノ・ヴィスコンティ アンドレイ・タルコフスキー 映像の既視覚を

アングル ジャン・デルビル フェルナン・クノップフ画中の女たちを

計算された構図の中に時間の堆積をも取り込むように配置

連続写真も興味深く 物語性を醸出

当時 街中を飾ったデボラの写真に少なからず影響を受けた人も多くいたはずですが

その後 あまり日本では見かけなくなったような、、、

それとも 彼女の後継となる写真家が多く輩出されたからでしょうか、、。

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本書 帯

伊藤俊治

ダイアン・アーバスの影響を受けて写真を撮り始めるようになったというデボラの写真には、うわべの華やかイメージとはおよそ無縁な何か得体の知れない蠢きがしっかりと捉えられている。その写真はあまりに静かでほとんど停止しているかのように見えるが、実はそれは何か大きな暴力が襲い掛かる直前、あるいは過ぎ去った直後の状況の反映のようだ。その見えない暴力の空気感こそが彼女の写真の本質をなすものであり、おそらく時代の無意識とぴったり寄り添うものなのだろう。

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http://www.staleywise.com/collection/...

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