もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

小林かいちの絵葉書・絵封筒

時間に余裕ができたので 

軽い気持ちで立ち寄った展覧会

おもいのほか魅入る図柄が多くバラエティに富む

マットで中間色の古風な色遣いが新鮮に感じられた

国書刊行会より

実物大よりも大きな図版が多く掲載された図録

『小林かいちの世界』山田俊幸他編 が刊行されているので

こちらでゆっくり鑑賞できる

  関東大震災により東京の文化が疲弊した大正の終わり

  東京の文化人の多くは、

  仕事を求めて関西方面へ移住するものも出たという

  京都三条京阪 京土産店 

  さくら井屋の かいちの絵葉書・絵封筒

  震災を契機に袋入り四枚一組でセット売りされた震災版という小ぶりな大きさ

  『現代的版画抒情絵葉書』は

  四十集近くも続いたヒット商品だったという

  内容は、画家・彫師・摺師が分業する伝統的な版画

  新しい販売戦略の画師が 小林うたち(かいち)

 

  かいちの生涯 生没年については未だ謎

  大正末から昭和一桁にかけて

  200枚以上の絵葉書・700種以上の絵封筒デザインをしたというが

  文献に現われるのは 谷崎潤一郎 『卍』 のみという、、、

                   ( 山田 俊幸氏 解説より )

●2008.2月 小林かいちの遺族見つかる 京都新聞記載情報   

 

ちいさな てのひらにのる 葉書・絵封筒(震災サイズ)の数々

シリーズ化されたデザインは 

全体的にアール・デコ調を帯びてはいるものの

装飾的な着物の柄であったり

直線で画面を斬るモダン・アート風であったり

古代色に彩られた流線植物デザインであったり

印象派ミレーの絵を彷彿とさせるシルエットであったり

蜘蛛・孔雀羽・薔薇・椿・鈴蘭・星・柳

十字架・楽譜・トランプ柄などのモチーフをテーマに

うつむきかげんの独りの女性のシルエットと交えて

色彩豊かに表現されている

竹久夢二

港屋絵草紙店で扱われた便箋・封筒類の品々に影響を受けたと想われる

斬新な色遣いや絵画的なデザイン性は

むしろ かいち に軍配が上がるのでは、、、

しかしあくまでこれは商品としての実用絵封筒 

一幅の夢二絵画との比較には無理があるのは致し方ない

http://www.shimotsuke.co.jp/jigyo/...

◎この展覧会を前に 東京古書会館では既に展覧会が終了

 小林かいちと大正イマジュリィの絵葉書たち

 2007:5月25日(金)-29日(火)

 会場:東京古書会館2階ギャラリー 入場無料

ギャラリートークは、書籍著者:山田俊幸氏、増野恵子氏で行われていた。

◎既刊雑誌 彷書月刊 2005年10月25日発行 10・11月合併号

 大正抒情イマジュリィのデザイン・シーン でも取り上げられているようです。

● 夢二と謎の画家・小林かいち

  ~大正ロマンから昭和モダンへ、

         花開く絵葉書・絵封筒の美~

弥生美術館 http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

会 期: 2008年1月3日(木)~3月30日(日)

開館時間: 午前10時~午後5時

休館日: 月曜日(祝日にあたる場合は翌火曜日)

料金: 一般800円/大・高生700円/中・小生400円

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