フョードル・ソログウブ『影繪』
フョードル・ソログープ(Фёдор Сологуб 1863-1927)
『 影 繪 』 前田晁譯 精華書院 大正11年刊
書籍にうずもれた茅屋にて
たった一度だけ眼にした濃紺沈色の厚表紙の本
その譯者序には朱色の文字でこうあった
この書の読者が少年諸子である場合を慮る。
少年諸子はあまり深く人生の意義を思って
考え深くなる当然の結果、
憂鬱な気分に陥りはしないかと虞れる。
少年諸子はあまりに魂をしめつけられてはならない。
グスコーブドリ君 の如き哀しみ。
古書街をしらみつぶしに探したこともある
…二度と御眼にかかれない…
画像は 大正元年九月十日再版 新潮社刊 『 毒の園 』 昇 曙夢:譯より複写
後年 上野国立国会図書館 国際こども図書館の閉架書庫に在ることがわかりました。閲覧可能です。