邯 鄲
「出るべき家がなければ 家出はできない」
などと言っていたのは 寺山修司だったか?
夏休み明け 新学期ともなると
東京にはなぜか 日本各地から家出少年・少女が集まったというから面白い
受験のないここちよい(はずの)学校に通う愚息の終わらない宿題のひとつに
ペルーで14歳まで過ごしたという30代半ばの国語科教師が出した読後感想課題本 村上春樹『海辺のカフカ』がある
家出をしてみたい
カラスと呼ばれる少年とカフカ君の関係は?
ナカタさんがジョニーウォーカーを殺すと猫語が通じなくなるのは何故か
息子は、素朴な疑問を、自問するように、私に聞こえるように問いかけている が
それは君が君の脳味噌で考えて判断すること、、、聞こえないふりをする
国語科H先生にしてみれば、中学生最後の夏休みに
ぬるま湯につかりきっている14・5歳の少年達に投げかけた一石のつもりであるだろう
王道的文章など求めない教師だから
想いと考えの道筋を丹念に文章化する努力を怠らないで欲しいと遠くから見ている、、、
しかし誰に似たのか、国語の成績が最悪なのが気にかかる
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秋彼岸も近づき 19時にはもうすっかり暗くなってきた
涼しい風に アオマツムシ・エンマコオロギが興を添える
このところ引っ掛かっていた『黒マリアの謎』田中 仁彦と『スピリチュアルの冒険』富岡幸一郎を電車の中で読んでいると、決まってある駅から、グレーの被衣を着けたシスターが隣に座るのでなんだか気恥ずかしい
富岡幸一郎さんの本は、もりだくさんで、相変わらず読書欲をそそる
今回は宗教絡みゆえに 言葉を慎重に選んでいる態度が好感をもてる
強弱相まった文体のかけ引きのような配置が面白い
新書にしておくにはもったいない本のように思えた
三島繋がりで、長年手をつけなかった保田 與重郎にもやっと興味が湧いてきたところだが、入門的にはどこから手をつければいいのやら、、、、。