もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

俚 諺

薔薇さうび

遠きバビロニアの時代から多くのひとびとを魅了してきた時間

いまさらのように私が言挙げするまでもなく

馨・いろ・かたち ともにひとの手を煩わせながら

今に至る うつくし

秋の陽射しの強いコントラストを受け

その一部が燃上する焔のごとき蛍光色を呈する橙の華叢

紅の黒黒しい花弁 黄の嫉妬 青の馨

この薔薇園では 白薔薇 でさえも

交配を繰り返して得た人工美の極致を

華麗な演舞を いやおうなしに感じざるをえない。

この人工美

舞台裏には、

年間を通してのなみなみならぬ薬散・剪定・施肥・定植

ひとを育てるに近い繊細な手仕事が垣間見える。

私は食あたり ならぬ 花あたり を起こしたのだろうか

薔薇花弁に起こるハレーションに眩惑と頭痛を感じて

同じ植物園とは思えないような、人の居ない隣の野草園に逃げ込んだ。

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