櫻のはなびらの散り敷いた小道を歩く
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりうるほひ
廂々に
風鐸のすがたしづかなれば
『甃のうえ』 を くちずさむ
ことさら特別のこだわりもなく手にとった本
頁を繰ると またしてもこの人
杉本秀太郎の名前に出くわす。
薄田泣菫・伊東静雄・漱石の何だったろう『薤露行』か?
ジイドの『パリュウド』にもなにがしか面白い言及があった。
もちろん著名な方であるから私の遥か前方をお歩きなのだろうが
この方の文章との出逢いは、
いつもいつも偶然であるから愉しい。