もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

桑原氏のスコープオブジェは、実物を是非とも観たいと想い温めていた。

この方は毎年年末に個展をされている。

http://www.cre-8.jp/pickup/88.html

スコープ公開時間には少し遅れたが、

暗幕を張った部屋にて桑原氏ご本人から懐中電灯(マグライト)を当て、ひとつひとつご説明いただく幸運に恵まれる。

タルコフスキー/ノスタルジアの部屋

三方向からのライティングによって演出されるミニアチュール空間は、

幻惑に揺らぎ降る雨の光で冥府に誘われ、、、

視点は、突如として遠近感を持つ奥の別室の間遠くへと誘惑される。

…存じ上げておりますとも。

私は、この映画を確か三十数回は繰り返し観ていますから。

 懐かしい古謡 天井の無いサンガルガノ

 雨 受胎告知 1+1=1 蝋燭の儀式 焼身の祈り 

 歓喜 イタリア、、、

桑原氏自身も、ノスタルジアの風景を求めてサンガルガノへ赴いたという。

他の作品「Alice」「庭」「望遠鏡」

てのひらに納まるちいさな匣に設えられた冥宮へ

、、、明滅する ひかり とともに まっさかさまに 堕ちる旅、、、

パロル舎刊 『 スコープ少年の不思議な旅 』 を観ると

2003年の作品 「 ピラネージ 」 も大変美しい緑青の玉手匣

巌谷國士氏が言うところの

ジャメ・ヴュ(未視)とデジャ・ヴュ(既視)とがひとつのものになる

とは、まさに言い当てたり というところ。

さまざまに魅了され符牒する作品主題の中に

作品2003 「 黒い男 」 が

グザヴィエ・フォルヌレ 「 草叢のダイヤモンド 」 の作者であることを見出した時、

タルコフスキーの部屋を観た感激と同様に

心臓を射抜かれた。

ここにも独り

あの奇妙な 

死にゆく螢の如き美しい作品に魅了された人間が居る

、、、、遠い時間の遡行、、、、。

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