もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

(タイトルなし)

『山本六三銅版画展』―銅版画挿絵と本の世界―

 早々に Y嬢 からご案内状を戴いていた。

 ありがとうございます。

 滑り込みで品川:啓祐堂に。

 ちいさな銅版画中心で

 奥のキャビネットに 挿画 の 奢覇都館の本 など

 『ペリアスとメリザンド』メーテルランク 湯川書房

 『感 幻 樂』塚本邦雄 湯川書房 限定15部本

 『白   鳥』吉田一穂 神戸ブックス

 これらは ようござんした。

 

 フェリシアン・ロップスから風刺味を引き算して

 石原豪人美人画に出てくるようなコケティッシュな少女達

 と思いきや、スレンダーなモデル体型に豊満な乳房

   そして 起立した 男根 附きの アンドロギュノス

 油絵・テンペラか?部屋の隅にあった奢覇都館刊の画集を繰ると

 ギュスターヴ・モローの初期作品の色濃い影響を感じる。

 バタイユ眼球譚』『死者』等の挿画に関しては、

 創作年代は前後しているかもしれないが、

 金子國義の油絵を先に見ている刷り込みがあった為に

 印象がどうも希薄。

 銅板というモノクロームの繊細な線刻によるものだろうか?

 

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 肌寒い曇天 空いているだろうと見込んで

 BUNKAMURA ギュスターヴ・モロー展へ 今頃行く

 秀作が少ないというのに 結構な人出

 テーマ別に配列されて、神話・聖書の説明も詳しい。

 パリのモロー美術館からのみの出品ゆえ 大型代表作に乏しいが

 エスキース・下絵等に本編よりも優れた人物像を視る。

 方眼に綿密に画き込まれた下絵・モデル写真・ピラネージの建築資料等

 単なるイメージだけではなく

 詳細資料によって計算され構築された大伽藍のタブロオであることを改めて認識。

 

 多分 今回で4度目になったモロー展

 神奈川県立美術館での水彩中心の展覧会が記憶に残る。

 今回の図録 は

 木島俊介氏の「サロメと《出現》についての幻想」サロメの来歴等興味深い。

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