もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

慚 愧

暑中お見舞い申し上げます

 先週末より公開が始まった 都内2ヶ所単館上映 塚本晋也監督 大岡昇平原作『 野 火 』

構想20年 金策に窮した塚本監督みずからの主演

しかし 上映館が少なすぎる…

 F・コッポラ『 地獄の黙示録 』の画像・ Doors の THE END も鳴り出しているわたしの脳内ですが

若い頃と違って これは心身ともに健康な状態でないと

なかなか観るに辛い内容だろう 

この夏の時間を長らく引き摺る内容になるだろう…と懸念しています

   が

 さまざまに あの時代の 慚 愧 という真摯な言葉が忘れられつつあるこの頃

原作とともに振り返る 良い機会になるや と

 ...疑うことを知らず 軍国教育を受けた可哀想な子どもたち

殊に 或る一定の年齢から上の 出征世代

この人たちこそ 敗戦後の価値の転換に大きく惑い

 自己欺瞞 という暗雲に苛まれた人も限りなく居たはずで

その自分と どのように向き合いケリを着け 生き長らえることができたのか

 

秋山 駿 『 舗石の思想 』は 

少し 遅れてきた少年ではあったけれど 

生身の生きた大人として 焼け跡に立ち尽くした少年の歩行と思考の言葉があり

出立の記録でもありました。

 慚 愧の画像

画像 Flickr;Yoshihiro Ogawa 御射鹿池 Nagano, Japan 

灰 青

水無月も過ぎ 今年も後半に入りました

 梅雨入り後の関東は 夏至を過ぎても雨の少ない日が続きましたが

今週は ようやく梅雨らしい雨空になり

紫陽花や梔子も 水を得て生気を取り戻した感

 

さて みなさまに案じていただいた前回日記の姪っ子の手術は 6月半ば無事終わり

摘出組織検査は 白判定 家族もホッとひと安心… 

大学病院での初外来の折は 手術するとしたら 半年後 と言われたものが

外来担当が毎回変わり MRI検査後に 

境界性悪性卵巣腫瘍で20日後に急遽術日が決定 同日に同意書を渡された姪や家族の動揺は推して知るものでした

 

病院は設備も整った関東でも上位ランクの大学病院ですが 父の闘病の折も

入院前には外来診療に加え 外来看護師カンファ・手術室看護師カンファ・ICUカンファ・麻酔科カンファ・入院病棟カンファと

検査日の予約表に午前・午後と明記され それでなくとも病で消耗している病人への更なる心労に辟易したもの

あんなものは紙一枚で済む事だろうに 何か訴訟でも起きた後の保険なのか いちいち承認サインを求められ

健康な付き添いの人間さえも嫌気のする面倒な進捗がありました

 

姪の場合は 術前白黒決定が曖昧で 通常の40・50代の経産婦なら関係臓器は全摘出が通常らしく

嚢胞の大きさ&24歳という年齢から手術を急いだようですが

婦人科関係臓器全摘を拒んだ本人に対し 術前1時間前まで担当医師が病室説得に訪れ

自分の命とどちらを優先するのか、、と説諭されたのだとか

 

これも大学病院(あるある)の最悪事態を通告する通過儀礼

担当医は30代前半;研修医上がりの若造ですから彼・彼女等にとってもマニュアル通りのエクササイズ

24歳の摘出臓器は希少データで 何方かの論文片鱗に有効利用もできるのでしょう

術後 担当医が術前説得に関しては謝罪したと言うことですが 結果オーライの事はママあると言えど 脅しにもほどがある

一件落着後も 姪はまだデータとして通院が続くようです

灰 青の画像 

                         画像はpinterestより

この間 以下の他にも 百田尚樹 言動は論外

◎6月23日 沖縄陥落の日 14日放映 沖縄戦 全記録では

 生き残り軍人が アイヒマン と ソックリな弁明をしていて驚愕!

◎安保関連法案採決への反対街頭署名

◎数人の諸先輩姉様方から 戦中話を聞く

 焼夷弾の降る飯田橋界隈を逃げ惑う

 茨城:霞ヶ浦近く小学校が軍宿舎に没収された小学生の見たもの

 ひもじい田舎での疎開生活 毛髪虱潰しの日常とDDT 

…母から聞いた話とはまた違う さまざまな年代の少女の目に刻印された戦下の記憶は

今もなお目頭を熱くさせ 言葉に詰まりつつ語る先輩諸姉の 伝えるべき余白の言葉 を噛みしめました。

羽 繕

真夏日の日差しに 色濃く茂った葉叢の中を

巣立ったばかりの雛鳥たちが 

慣れない飛翔で 声高らかに鳴く姿を見かけます

 羽 繕の画像

うんがぁ~のハシブト・ムクドリヒヨドリシジュウカラ・スズメ

時折オナガの幼鳥も混じり 子どもの声はどこか特徴的で 

いち早く危険を察知した親が 遠からず寄り添いながら見守る姿がいじらしい

 

さて

5月は恒例のごとく慌ただしく過ぎ 水無月朔日となりました

 

相も変わらず アウフヘーベン無きTELをよこす姉は 間もなく還暦

婚姻35年に渡り 年に3度はリコンリコン「今度こそ本当にリコンだから…」と毎度の科白

お馴染みの慣例で4・5日経てば何も無かったようにケロリの日常と決まってますから

またか、、、と 心配するのも馬鹿馬鹿しく そうとなれば こちらはまともに請け合うのを辞め 

法的事務手続き 金銭分割の具体例 転居一切など 聞きかじりの対処の詳細を話し

ネット検索でもかければ 情報はゴッソリ出てくること間違いなし と オススメ 

現実の面倒を知り驚いたのか?(この人は面倒が大嫌い)急におとなしくなってTELが途絶え、、、の繰り返し やれやれ

 

この手の話は 第3者としては 夫婦片方に偏向するきらいが客観性を見失う鍵になるので要注意です

父の病臥から葬儀 その後のもろもろの手続きで ここ3年ほど義兄と話す機会が増え

彼は姉が言うほどの悪人ではなく どちらかと言えば口下手の小心者 家で飲酒後に 姉への放言暴言は確かにあるようで

 酒癖が悪い というのが 甥・姪 2人の子どもの共通評価 

放言に取り合わなければ離婚騒ぎもスル~出来るという 成人し社会に出た子どもたちが言うのですから信じてもよいでしょう

義兄は 老父母たちの医療費控除のエクセル表も毎年キッチリ作成(専業主婦の姉は一度もやったことが無い)

手先が器用で日用品のDIYはプロ並み 裁縫も得意で ボタン着けは父ばかり、、と姪の言(笑

彼女は父親と仲良しで 子どもの頃からこの春まで 2人で泊まりがけの旅行を何度もしているといいますから

義兄が 姉が言うほどの悪人でないのは確かです、、、この夫婦は 性格の不一致 という言い方が妥当でしょうか?

要するに姉側にも被害者意識の強い直情感情表出の問題があるのは否めない(子ども2人の言)

 

で 今春の離婚騒動はいつになく長引き あれ?還暦の本気モード?と わたしもひるみましたが この騒ぎはまた 小説よりも奇なる現実がやってきたことで落ち着くことに

 

幸不幸はあざなえる縄のごと 

満24歳の姪に 重篤な病が見つかり 急遽今月手術が決まりました

一人で行った大学病院の検査後に 告知を独りで聞いたといいます

帰りに立ち寄った実家で 母(彼女の祖母)に 心配をかけないよう気遣いながら報告したらしく

母は 「N子(姉)より あの子(姪)のほうが大人だね、、」と ぼそり

 同居はせずとも祖父母に可愛がられて育った姪は たぶん わたしたち実の娘2人よりも祖父母を深く想い

今も ことある毎に実家に立ち寄り 独り暮らしの母の様子をみてくれます 

父(彼女の祖父)の最期の40日間の泊まり込み異常看護でも

時間に余裕のあった若い彼女が率先し宿泊してくれました

危篤時も 家族の到着が間に合わず 居合わせた彼女がひとりで看取ったかたちになりました

 

八百万のかみさまたちは どんな采配で ことを決められるのか?

姉夫婦の鞘が 姪の病がきっかけで納められても 彼女の病自体が治らねば 何も始まらない、、

実家の家系には稀な 明るく元気でフットワークの好い姪の試練に

わたしに 何ができるのか?

手術まで 検査が続き 体力も消耗することでしょう

好きなお菓子でも贈りましょう

空に向かって 手術の成功を祈る日々です。

 羽 繕の画像

画像上 Molly Drake Nick Drakeの母 古風なメロディが心地好い

薫 風

つつぬけの天のふかみのあさみどり

     われらはひくく ひと恋わたる  村木道彦

一週間ほど前からいち早く咲き始めた今年の薔薇は

昨年の「バラとガーデニングショー」で迷った挙句に購入したバロン・ジロー・ド・ラン 

(Baron Girod de l'Ain HP;ハイブリットパーペチュアル 1897年フランス C;クライミングローズ)

仔鹿園の名を附したその小さな店は 

成長も早く育て易いという群舞(ぐんまい)・群星(ぐんせい)トゲ無し小花のつる薔薇が大人気で

透明感ある淡色花の鈴なりの姿に見惚れていると おや?新苗ながら3つの蕾を着けたバロン(以前から興味を持っていた)が棚の隅に並んでいる

台木から伸びた新枝が弱弱しいものの ほころんだ一輪の強香に魅了され

話しかけられた同年代と思しき親子連れの「うどんこ病との闘いに勝てば 花と香りは素晴らしいですよ」に逡巡するも

では ひとつ挑んでみようじゃないの と 意を決し お持ち帰り…

ひと月経ぬ内 台木に白いもの(うどんこ病)が見え始め それは次第に上に移り 夏が越せるか心配の種になりました

仕方なく数回の液剤散布 秋には古葉の付け根から冬芽が見え

冬至が過ぎ 雛節句が終わると 赤い冬芽からきみどりの新芽が勢いよく伸びて蕾も顔を出してひと安心

ところがこの3月4月は雨が多く またもうどんこ病が蔓延し それは強健なER(イングリッシュローズ)や かおりかざり(和薔薇)まで伝染…

持ち運べる大きさの かおりかざり は隔離して東のベランダに移動、、 これも無事に 昨日 開花となりました

村田晴夫氏の本に出逢い「つる性薔薇は前年に伸びた枝に花芽を着ける」と学習して

ロンサール;Pierre de Ronsardはその対処をしたところ 今年は 手に入れてから最多数の蕾を着けました

が 毎年毎年 伸び放題にするわけにはいきませんから どの枝を残し樹形を整えるかが腕の見せどころとなるわけです

どんなに切り詰めても強健なシュラブ樹形のER(イングリッシュローズ)ゴールデンセレブレーションは 冬に3mから70㎝まで強剪定したのに

土替の効力なのか?シュラブの特徴通り また2m近くまで成長し 蕾を着けた新枝が 春の嵐で数本折れました

地植えで育てられる環境があれば別ですが たとえ地植えであったとしても5年10年と長く育てるのであれば

まずは樹形を知り 成長の特徴を掴むと その後の長い時間の手入れが 花季に効果的に現れ 喜びもひとしおになることでしょう

また 他の植物との兼ね合いやガーデンデザイン みどりのトータルバランスの基本にも繋がります

シュラブのERは 切り花には向かず 切り花には直立に咲く 木立性の樹形 の花を選ぶ事が好ましいのです

つまりERの多くはシュラブの特性があるので 庭植え(地植え)向き

もちろん わが家のように鉢でも容易に育てられますが 支柱やオベリスクの必要性があり 

成長が激しい品種は根詰まりし易いので 2~3年ごとの鉢替えや剪定は必須となります

好みの花を見つけたら、まず樹形を知り、成長の特徴を知り、その特性に沿った愛情を注ぐのが一番なのでしょう

バロンは 正直 手がかかります

が この花の香りとうつろう色姿の魅力に惹かれ 来歴を調べつつ 

交配の親を辿るうちに 日本にもハマナスに似た タカネバラ(タカネイバラ);Rosa nipponensis という固有種があるのを知りました

クレオパトラの時代から香りと花容で人を魅了し 現在まで品種改良と交配が繰り返されている薔薇に魅せられていると

大元となった薔薇に興味が湧き 逞しく野山に生きる野生種や原種にも惹かれ 

自然の中で その姿に出逢いたいと思うこの頃です。

画像はバロン 花弁縁に白い輪郭を持ち強香と移ろう色が特徴

薫 風の画像

葉 隠

世の中は 先週末あたりからゴールデンウィークモードか?

吉祥寺の街にはそんな幟旗がはためいていました

窓を開け放したゆうぐれ時 あれはトラツグミの囀り? と想える 

あまり上手いとは言い難い口笛のような音が響き

どこぞの暗い草叢に この鳥が潜んでいるのかもしれず 音のやってくる方角に耳そばだてれば 

おや? 近くの公園辺り 薄闇でぶらんこを揺らす人の気配がある

どうやら ぶらんこの金属の擦れ具合が まるで トラツグミ声、、 

一週間ですっかり色を増した新緑の欅の天辺で カワラヒワ が キリキリコロコロ

一昨日から アオスジアゲハ も すばしこくスクランブルを繰り返し

夕方には クビキリギス も ジ~ジ~ジ~ すっかり初夏の光です

さてさて 昨年から自治会活動のお手伝いをするようになった関係で 新しい知人も増え

年長者や同世代の話を聞く機会(会合を含めた茶話会など)が定期的にあります

先日の総会では 若い世代の方たちの参加が乏しいため どうしても8割を占める70歳以上の敬老寄りの活動に主体が置かれ

それはそれでいいとしても 現在の実社会を支える多忙な若い世代の意見も取り込まないと先細りになるのでは、、と発言し

具体策として 活動報告と防災対策を主軸にしたツイッターの開設を提案し 賛同も得たのですが

大学の先生をしていて(過去形かも)著作もある70歳の会長さん(女性ゴッドマザー風)が いまひとつ乗り気ではない

たぶん 現在のボランティア活動以上の面倒を背負込む事への不安と リスク管理の問題など

責任負担増を懸念していらっしゃるようす

近々に個人的に話を詰めることになり 企画書でも作るかなぁ~という進捗になりました(汗

アクセスデータを抜かれたりする事もあるようですが

発信主体のツールであり 実質コミュニケーションは会って話す関係性なのだから

無駄に恐れるリスクは少ないように思うのです

実家のある街の自治会も 

戦前から住む居住者が 息子に代替わりすると 退会した といった話も聞き

時代と共に様相が変化しているのが現実です

あまり肩に力を入れず ぬる~い感じで自分に出来ること と思ってますが

はてさて どうなることやら、、、。 

葉 隠の画像

来 燕

燕の声を聴いたのは 2週間ほど前になるでしょうか?

五月の気温かと思えば  今日は真冬に逆戻りの雪混じり

行ったり来たりの季節の中で

都内の櫻の見ごろは先週前半で 週末にはほぼ終わり

これからは 八王子・多摩方面の丘陵地の遅咲き品種や八重櫻が楽しみです

   しづこころなく はなのちるらむ とは よく言ったもの

 例年 櫻の季がやってくると 久しぶりの友人たちから次々に連絡が入り

今年も 東の窓下には立派な櫻(画像下)が臨めるのに

花に誘われ ちょこちょこお出かけしました 

お喋りにも花が咲いて 情報量も多くなります

 

そんな中

年度始めに知った マイナンバー制度

 この秋 10月には通知され  国民総背番号で 揺りかごから墓場まで 

キッチリ税金取り立てまっせ~制度 とでも改名すればもっと分かり易いのに、、

既存の住基カードは「有効期限まで利用」でき あとは破棄すべし、ということか?

  「図書館利用や印鑑登録証など、地方公共団体が条例で定めるサービスにも利用」

   ↑ いちばん利用頻度が高いのは ひとまずコレになりそうかな?

 説明では利便性ばかり強調され デメリット表記が無いのが一番の不安材料です

 単純に言えば、総背番号の情報が改ざんされたら どうなるの?

存在も抹殺できるのでは? そういうことにもなりかねない、、、

 

つい先日 東京外環道で追い越し車線を2キロ以上走行という違反で 覆面パトに追跡され捕まえられてしまいました 

 安全地帯に連行され 説明を受けても この違反が理解できず ぽか~ん、、

 1点減点の切符を切られ 母印認証させられました

 日記を辿れば、10年前の2点減点の記録も蘇り 不満再燃

 個人情報にはこの履歴もちゃんとあり おまわりさんに パト内で再認させられました

 なにかと いろいろ 管理される時代に突入してゆくわけです

 つまらぬ心配が杞憂であれば と 祈ります。

来 燕の画像

 小金井公園 さくら大木 2015.03.30

陽 光

Tobias Wilden  ネタもとは 例によって 西荻の雨Qさん 久しぶりに覗いたら 実店舗は移転のため閉店中 今はweb店舗のみのようです さて 若きトビアス君のアルバムは昨夏から出ていたようで 気がつきませんでした ジャケットはご自身撮影の画像だそうで 清々しい ミニマルサウンド? ドビュッシーラヴェル・サティも入ってる感ありあり ピアノ曲 も Youtubeにアップしてますが これはちょっと まだ途上中かな? ギター曲は やわらかな春から夏の陽光が遠くをてらし出す煌めきのよう 櫻吹雪が舞う中  こんな音楽をたずさえて歩くのも ひとつの贅沢な時間です  Silhouettes   A Path To Open Air   Daybreak  陽 光の画像