もえぎの日録

関心空間(2016.10.31閉鎖)から移行 日記とキーワードが混在しています 移ろう日々のことなどを記します

抽 斗

鍋釜3つ スーツは3着 そこそこの普段着と 雨露しのげる茅屋とすこしの食べ物さえあれば 一人所帯は賄える 70代半ばを過ぎた著名な生活の先達女性が 老いに向き合う生活について何年か前にどこかで書いたものを読んだことがありました 実家の果てしなき断…

遠 街

すでに文月 夏至も過ぎ 七夕も間近になりました むかしむかしは八世紀、弓削道鏡が流されたこの片田舎に 医大併設の大学病院(画像中)ができたのは三十数年前 かつては松林に囲まれた種畜牧場があり牛糞臭が漂う記憶も 母の実家がここ下野薬師寺にあって、…

山 繭

関東のみが、このところ しとどの雨もよひ 台風の影響とはいえ 朝から降りやまない梅雨の雨に 紫陽花・テッセン・菖蒲など アントシアン系の花々が濡れて鮮やかに色目だちています 画像は Maggie Taylor 『The moth house. 2012』 祥さんが、某所にてご紹介…

蔦 蔓

蘂より褪せつつながき夕映え 担われて薔薇の入りゆく「夜」を信ず 濱田 到 エゴノキの花も散り、スイカズラやバンマツリの馨りが漂い ウツギ、キンシバイ、アジサイが梅雨空に顔を擡げてきました ツバメの声も聞こえ カラスは子育てに忙しそうですから要注意…

既 知

寿命が分かれば 人はずいぶん生き易くなるだろう とは、ここ数年、よく耳に入るようになった俚諺です 老いて体調に不安を抱くようになった母に その暗雲がもくもくと…老父からも愚痴混じりのTELが頻繁に入るようになった昨冬 最近の帰省は、老親の負担になら…

遍 歴

数年前の初めての開腹手術の折には 納得ゆくドクターに出会えるまでいくつかの病院を廻り 身もこころもたいそう疲れた記憶がありましたが 術前不安が払拭され、安心してお任せできた効果は大きかったと思います 今回は、歯科診療 加齢による劣化もあって、近…

粛 々

このところ めでたい報せがいくつか続き これも五月の仕業?、、親のようなここちで喜んでいる ひとりは、前職で机を並べていたA君の入籍 30代も終わりに入った彼は、脳梗塞で自宅療養の父親の面倒を一人で看つつ 植物状態で6年入院していた母親をこの3月に…

緑 蔭

風化する哀歡の遠き過程あり 灌木の絮(わた)のひかりつつ飛ぶ 葛原 妙子 開花しはじめた薔薇さうびの手入れに 不具の肢に鞭打ち、TVクルーも取材にくる大きな園芸店に赴く途すがら この丈高い垣根と塀に覆われた施設を初めて見た折 まるでどこぞの避暑地の…

風 街

風に揺られ 香り流るる 藤の垂花 モッコウバラも咲き出して いよいよ薔薇の季節の到来です 鉢の土替えをまたも少々怠り 3m近くに伸びた薄桃のロンサールは剪定して肥料のみに 昨年・一昨年と放置したERのゴールデンと、小ぶりの3鉢を可愛がった結果 なん…

過 程

新緑が目にうつくしい季節というのに 迎撃ミサイル地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が 首都圏では東京:市ヶ谷、埼玉:朝霞、千葉:習志野の自衛隊施設に配備されたとのこと 北の、豚まんじゅうによく似た太った人のひと声がかかると 上空にミサイルが通過…

隕 石

James Blake 'Retrograde' https://www.youtube.com/watch?... まもなく 新譜 Overgrown が発売予定 2月にPVが発表され 6月に東京・名古屋・大阪で公演決定 東京公演は追加も出ているようです 前回2011年の公演は、ライヴはいまひとつ?の盛り上がりだっ…

管 見

すでに 欅 の にこげなるさみどりの葉 風にゆれ 櫻吹雪の舞う前に 新緑の季節 も 駆け足でやってくるようす 『 レッドアローとスターハウス 』 原 武史 新潮社 初版 2012.9.30 久しぶりに面白い本(画像)を読みました 昨秋の新聞書評に掲載されたこの本の照…

浮 橋

櫻 白木蓮 木蓮 連翹 馬酔木 椿 木瓜 雪柳 ミモザ 辛夷 、、、 オオイヌノフグリ・セイヨウタンポポ・ホトケノザ・ナズナ 地に咲く草草も陽を浴びて上を向き 花々がいっせいに咲き揃うすがたが見られる今年の春の不思議 近くの大学の運動場には新入生とおぼ…

春 嵐

Gertrud ゲルトルード 、、、、、ではありませんことよ このところじゃぶじゃぶ使っている花粉用市販目薬は3本目 先週の異常な暖かさでご近所のミモザのぽんぽん花房も黄色く枝垂れ 震災の日は ミモザの花が告げる 終わりなき復興の春のはじまり お正月開け…

春 隣

春待ちの日々 行きたいと思っていた いいタイミングで招待券をいただき 出久根育さんの展覧会に 既に店じまいしたパロル舎の絵本は たのしい形と色づかいの妙に魅入り、記憶に残っておりました 今回の展示では、そのテンペラの原画の他にも 2002年からプ…

韜 晦

豆まき節句の翌朝から 暦の上では 強引な春となり 本番の寒さは 如月のこの月であるというのに ひかりの時間の長さに騙される、、 白壺に投げ入れた寒櫻が ながらく咲き ついえると 隠れていた新芽から若緑の葉が開きました 暮から 久しぶりの友人知人に会う…

揺 籃

松が開け 寒に入り 寒さはこれからが本番というのに 光の春のショウウィンドウは、パステル色となりました ちまたはバーゲンシーズン 欲しいものは多々あれど人混みに出れば食傷なる常々 物欲を制する大雪でもネットショッピングなら容易ですから困りもの さ…

仕 度

むろん お正月の仕度です 今年は休暇も長く、食事の仕度がたいへん、、、という主婦や主夫の声も聞こえます 先日食したさっぱりした、しかもひとことでは言い表せない 複雑な香辛料の馨りとお味の上品な中華を思い出し 素人にできるかぎりのいろいろを試した…

橙 花

年の瀬の仕事は26日に終了 今年の年忘れ酒宴はいつもの吉祥寺ではなく西新宿のホテルとなり ひさびさに美味しいごはんとお酒のコースをご馳走になりました 向かいのホテルは、地震の10日前に愚息の高校が賑やかな謝恩会をしたHR 一本道のその向こうに…

静 観

冷たい北風が吹き 街路樹がしだいに裸樹になりつつあるこの頃 今日は ましろき富士山の上に笠雲 月末の慌ただしさも過ぎ 月初は、取引先の、ごやーるおぢさん(ブランド&車好き)や、なので男さん(意味も無く なので を連発する)がやってこないので、仕事…

雨 域

都心の街路樹もすっかり紅葉になりました 先日は 晴れて陽が射す南の窓に 射光に光る広重の絵のごとき雨脚が急に見えたと思いきや 東に見える建物・地面や樹木はいっこうに濡れている様子もなく おやおや なんと 私の居たその場所が雨の境目 右 は 雨 左 は …

借 景

うすく汚れの染み付いたコンクリートアスベスト館はすべて取り壊され これといった趣きもかんぢられない新建材の匂う学舎 、、、こんな箱物へのいかがわしき投資まがいの学費を 卒業までに平均でも数百万以上納めなさいという 学部・学科が違えば、上記の4…

箱 庭

先週末には 雪被りの富士山が すっきり蒼穹に映えた秋 わが箱庭のテッセンも夏の暑さにやられて駄目になったかと諦めかけていたら 節節からまた新芽が吹き出し若葉が開き 12月でもよく咲いた昨年を期待して忘れていた追肥を施しました このところの週末は …

清 漣

灯かげうすれ はや誰のものでもなき空間へ 瞳孔(ひとみ)はひらき ひろがりゆけり 濱 田 到 まだ肌寒い今年の春 小山実稚恵さんのリサイタルに赴いた折 珍しく姉から早々に誘われた展覧会 「 今年はドビュッシー生誕150年で、コンサートや展覧会企画もた…

邯 鄲

朝夕のひんやりした空気が心地よく 温かな珈琲がおいしい季節になりました 雨の降る前の先週末 平日にお休みがとれたので仙石原のススキを見に温泉へ 若い頃から幾度となく行っている場所ですが 季節をたがえると 見える風景も違います 昼間はまだ蝉の声も聞…

齟 齬

秋蝉をおくるこころのおくどまでひびき銅鋪をたたく風あり 岸 田 典 子 昼は なを暑き陽射しも にはかに掻き曇る空から ぽつぽつ 雨が落ちたてきたかと思えば いきなりの豪雨が地を叩く空模様 小走りの雲が開け 西の空を茜に染めた 先日の ゆふぐれ (画像)…

送 火

八月も終わり 夏休みの宿題に追われている学生さんも多々居ることでしょう この夏は 七月終わりの花火大会 八月の盆 と 二度帰省 それも 外見は元気に見える老父が、最近ことに弱気に拍車がかかる母を見かねて 私に応援を要請してきた事もあり 事はついでと …

夏 艸

南国クマゼミの声も例年のごと聞こえるようになった東京木立 残暑は続くよ いつまでも 盆前 春彼岸以来 参っていなかったあちらの墓前に 直系血族の家人も息子も、仕事だバイトだと理由をつけて行かないというので わたしひとりで半日仕事の墓掃除も兼ねたお…

風 琴

大陸の高気圧がもたらした雨は涼しい風を運び 立秋をむかえ 急にアブラゼミがにぎにぎしく鳴きはじめました 近々の 酷暑の中 ステッキに生成りスーツ 白い麻の開襟シャツが涼やかな風情の老紳士を 仕事場近くで度々見かけます 近ごろ、こうしたお姿の老紳士…

添 心

落ちてゆく潮にゆだねて救い得ぬこころひとつを遠く去らしむ 『 青 琴 』 岸田典子 より 原爆忌をむかえ 立秋となったのに 近隣では 通常、夏の初めに聞こえるニイニイゼミの高周波音が いまだ朝夕かまびすしく 例年より ミンミンゼミやアブラゼミが少なく感…

大 鴉

黑檀色のこの禽が 世に嚴めしく きはきはしき行儀を見れば こころ哀しき空想も 微笑に解けて儂糺すらく 「 鳥幘は削がれてあれど 夜の領の汀杳かに彷徨し こころ怯儒て面高なる 老來の大鴉にはよもあらじ。 黄泉 閻羅の王の禁領にして 首長の本名を何とか稱…

航 跡

Pilgrim's Progress 「天路歴程」 Matthew Fisher, Keith Reid Procol Harum アルバム『A Salty Dog』より 台風に挟まれた今年の 夏至 も過ぎ この夏は、どんなものになるでしょうか 先日 十代の頃に聴いていた懐かしい楽曲がTVから聞こえてきて よくよく見…

花 腐

. 春されば 卯の花腐し(うのはなぐたし) わが越えし 妹が垣間は 荒れにけるかも 『万葉集』第十巻 相聞 「花に寄せき」一首目がこれだというのは 高橋睦郎 「 季をひろう 」 で知りました 文字通り、わが共同住宅の植え込みに咲いた卯の花もすっかり散り敷…

午 睡

Hypnerotomachia Poliphili 『 ヒュプネロトマキア ・ ポリフィリ 』 ( 邦訳 『 ポリフィルス狂恋夢 』 ) 15世紀イタリア:ドミニコ僧フランチェスコ・コロンナの書いた奇妙な夢物語 1499年ヴェネチアの印刷業者のもとで刊行 英吉利薔薇(画像は最盛…

靑 瞼

. あたへられし切れ長き眼を 少女 知らずしらず閉ぢゐる 午後の刻やさし 瞳のみとなり病みゐし少女 永眠(ねむ)るべく瞳を閉ざしたる夜を帰るも 脈細り少女ほろびしかば 春の硝子にも映らずなりて 吾につれそへり 紋白蝶 死にし少女のなか漂ふに ゆふひの蘂…

こみちをゆけば ちひろ美術館・東京

ちひろ美術館・東京 wiki いわさきちひろ ほど近くに住んでもう何年になるでしょう 近くに居れば、いつでも行ける と、たかをくくり 新青梅街道沿いの案内板を見るたびに 季節のいい時に と、思っていたところ ひとえ櫻のはなびらが石神井川に流れるうららか…

痛 覚

かれこれ、ふた月以上も間を空けてしまった、、、日記 記したいことは、多々あれど 怠惰もあいまって 季節は廻り 緑萌ゆ 五月 になりました 雛の節句も間もない或る朝 目覚めると、、、、 ぐれごーる・ざむざ君よろしく 毒蟲に とはゆかないものの 手が、、…

玻 璃

“Fragile” -Sting- Perhaps this final act was meant To clinch a lifetime’s argument That nothing comes from violence and nothing ever could For all those born beneath an angry star Lest we forget how fragile we are On and on the rain will f…

節 会

水仙月の四日 も過ぎて 外気は、まだまだ冷たく感じますが 急に酒宴や会食の予定が入ってきたのは やはり 光の春 春待ち気分 の証でしょう 先日は友人のお誘いで 吉祥寺 meg に初めて行く機会に恵まれました。 吉祥寺通のJAZZおぢさまなら知らない人は居ない…

滋 雨

. 事務は 少しの誤りも停滞もなく 塵もたまらず ひそやかに 進行しつづけた。 三十年。 永年勤続表彰式の席上。 雇主の長々しい賛辞を受けていた 従業員の中の一人が 蒼白な顔で 突然 叫んだ。 ――諸君! 魂のはなしをしましょう 魂のはなしを! なんという長…

点 睛

今年は例年にない寒さのよう、、、な気がしないでもなく それはやはり寒中だから と納得して 欠礼の友人に寒中見舞いなどをしたためたり 2週間ほど前、久しぶりの39度の発熱の折には はちみつ生姜湯を飲んでも、布団をかぶっても治まらない悪寒で 加えて…

食 指

週末,年末年始の過ごし方をいかんせん と思うのも 今年は、すこうしだけ自分の時間が増えそうな予感があるからです 久しぶりにちょいと観たいと食指の動いた映画がちらほら ◎ブリューゲルの動く絵 http://www.bruegel-ugokue.com/ 12/17~ ユーロスペース ◎…

星 霜

穢れなき生こそは贄 凍湖より釣りあげし魚の白銀の反り 苑 翠 子 ここ 関心空間のクラシック愛好家の方たちのキーワードに触れ 藤本一子著 『シューマン』 評伝を手に取る機会に恵まれました。 音楽へのアプローチは、さまざまな方向から語られるもので 演奏…

月 蝕

櫻紅葉も散り敷いて 公孫樹の黄葉が明るく舗道を彩っています さまざまな電飾も冬の夜の街を華やかに演出しはじめました 今夜は皆既月蝕 終わりはまたはじまりでもある、、、と謂った、かの月蝕領主の命日でもありましたことよ 初夏に伺った 川越の陶磁器ギ…

鳥 影

ジョウビタキの高い声が聞こえる 冬のはじまりを告げる声である 年の瀬はなにかと気忙しく あれもこれもと思ううちに過ぎてゆく 知人たちとの恒例の集まりも ひとつは愉しく過ぎた 転勤族のお一人に、大阪に戻る人が居り、寂しくなる ヨーロッパの信用不安に…

錦 繍

連休のはざ間 山へ 今年は平年よりも暖かく、通常ならすでに落葉している葉も残り カエデやカラマツが最期の虹彩を放ち 赤・橙・黄 の落葉広葉樹と針葉常緑樹の鮮やかな織物が好天に映えておりました。 都内 大泉インターから2時間と少し 人の多く集まる場…

破 調

James Blake The Wilhelm Scream http://www.youtube.com/watch?... Limit To Your Love http://www.youtube.com/watch?... I Never Learnt to Share http://www.youtube.com/watch?... 「 いわゆる"歌モノ"のそれは彼自身が歌う歌で、歌はときにエフェクト…

流 謫 Ⅱ

. 透明に喜びのみを歌う弦 昏れつつ白し雨の中の薔薇 近藤 芳美 薔薇は薔薇の悲しみのため花となり 青き枝葉のかげに悩める 若山 牧水 薔薇ひらく顫へともなり生きゆかむ 亡き母のため韻律のため 濱田 到 塚本 邦雄 『 百華遊歴 』 より .

流 謫

... 立ち上がれ 繼起する時代の中に わが 肉體よ 打ち毀せ この思考する形態を 、、、(略) 風 吹き起こる… 生きねばならぬ 一面に 吹き立つ息吹は 本を開き また 本を閉ぢ P・ヴァレリー 「海邊の墓地」 より 鈴木信太郎譯 (不死の生命を望むな わが魂よ …

滋 味

ちきちきちき と 百舌鳥 の 高鳴き 焚きたての新米艶ごはんに めんたい や ぱりぱりの海苔 が 美味しい季節 ゆうぐれの澄んだ空気の中に ご近所から漂う夕餉支度の匂い、、 ごぼう を煮付ける匂いに誘われ 買い置きのれんこんを入れて 鶏肉の煮物をつくった…